おめでとう、イーノ! 今日は70歳の誕生日。彼の夢の足跡にじっくり浸る…

おめでとう、イーノ! 今日は70歳の誕生日。彼の夢の足跡にじっくり浸る… - Brian Eno, Courtesy Paul Stolper Gallery 2017, photogrpahy ©Mike Abrahams160407Brian Eno, Courtesy Paul Stolper Gallery 2017, photogrpahy ©Mike Abrahams160407
「音楽を動的で千変万化するもの、そして絵画を静的なものだと考えるなら、
私がしようとしていることは、静的な音楽と動的な絵画を制作することだ。

私はそのふたつの形で音楽の従来のコンセプトと絵画の従来のコンセプトの間に存在するスペースを見つけようとしているのだ」


とはイーノによる自身のインスタタレーションの説明。
おめでとう、イーノ! 今日は70歳の誕生日。彼の夢の足跡にじっくり浸る…

週末11日、過去のレア曲や未発表曲を集めた6枚組ボックスが発売された。インスタレーションでしか披露してこなかった楽曲や、イーノ・オンライン・ストアのみで過去に限定販売していた作品などのレア曲が詰まった作品だ。

その瞬間に、その場でしか体験できないインスタレ―ションを、音楽だけで聴くとどうなるのだろう?と思ったが、より自由に想像力を刺激させられる体験だった。
と同時に、リズムや音の質感、自動生成など、イーノのキャリアにおけるひとつひとつの実験が、壮大な宇宙を生み出している面白さがあった。

今日5月15日はイーノの70歳の誕生日。このめでたい日に、じっくり聴いてみてほしい。
イーノの夢に包まれながら就眠したら、最高の夢が見れそうだ。

ボックスには、世界各地で披露したインスタレーション作品が収められているが、
日本としては、2006年・東京のラフォーレミュージアム原宿『77 Million Paintings』で初演した作品が収録されている。

日本盤にはボーナス・トラックが2曲収録されている。
1998年、奈良・吉野の山奥にあるパワースポットとして有名な天河神社に奉納したインスタレーションの体験が忘れられず、ぜひ聴きたかったのだが、残念ながら収録されていなかった。

そういえば80年代のデヴィッド・バーンとのかかわりの中で、イーノはゴスペルを聴き始めたそうで、電子ゴスペルに興味があると語っていた。
宗教はまったく違うが、そういう興味もちょっとあったりしたのだろうか??

おめでとう、イーノ! 今日は70歳の誕生日。彼の夢の足跡にじっくり浸る…
写真は、本作と以前リリースされたボックス。ヴォーカル中心のVOL2だけ購入し、VOL1を後で買おうと思っているうちに入手できなくなってしまって後悔…。
ボックスは高価だし場所もかさばるし躊躇するけど、買い逃すと出会えない場合が多い。ストリーミング時代にはむしろ最優先すべき作品なのかもしれない、とも思う。

今年は、ロキシー・ミュージックのデビュー45周年ということで、ファースト『ロキシー・ミュージック』のデラックス・エディションも発売されたし、いろいろ嬉しい。(井上貴子)


【海外プレスリリースより】
ミュージシャン、プロデューサー、ヴィジュアル・アーティスト、思想家そして活動家であるブライアン・イーノは、1970年代初頭、まずはロキシー・ミュージックのオリジナル・メンバーとして世界的に注目された。グループ脱退後からほどなくして、高い評価を受け、影響力をもったソロ・アルバムを相次いで発表。彼の先進的なプロダクションにはデヴィッド・ボウイ、トーキング・ヘッズ、ディーヴォ、ローリー・アンダーソン、
コールドプレイらとのアルバムがあり、コラボレーションの長いリストにはジョン・ケイル、デヴィッド・バーン、グレイス・ジョーンズ、ジェイムス・ブレイクとの作品が含まれる。

同じように注目に値すべきものであり、しかもおそらくさらなる功績を残しているにも関わらずあまり論じられていないのが、彼のライトとヴィデオを使った視覚的実験である。これが彼の他の多くの作品を育んできた豊かな土壌であり、レコーディングよりもさらに長い期間に渡って行なわれ、ここ数十年間彼の音楽作品と同時に存在してきた。

その高評価を得た作品は、ヴェネツィア・ビエンナーレやサンクトペテルブルクの大理石宮殿から北京の日壇公園やシドニー・オペラ・ハウスの帆型の屋根まで舞台にし、世界各地でその姿を見せてきた。

『ミュージック・フォー・インスタレーションズ』は、新しい曲、珍しい曲、未発表曲のコレクションであり、
いずれの曲もアナログ・レコード化されるのは今回が初めて。どの作品も、イーノによって1986年から現在(そして今後)に至るまでに行なわれたインスタレーションで用いるためレコーディングされた。この期間に、彼は世界中でジェネラティヴ・ミュージックの第一人者として注目されるようになり、最高のオーディオ・ヴィジュアル・インスタレーション・アーティストのひとりとして認められている。

ブライアン・イーノと長年コラボレーションしてきたニック・ロバートソンがデザインした素晴らしい装丁のパッケージに入っているのは、エキシヴィションでの珍しい写真や初公開の写真に加え、イーノ書き下ろしの解説が入った64ページのブックレットだ。

ブライアン・イーノ、アンビエント・ミュージックの真髄を語る
1月1日に新作『リフレクション』をリリースしたブライアン・イーノだが、現在発売中の『ロッキング・オン』3月号には、イーノの最新インタビューが掲載されている。 その中で、アンビエント・ミュージックの制作について、自身の個性やパーソナリティはどれだけ音楽に込められているのか、または、自分…
ブライアン・イーノ、アンビエント・ミュージックの真髄を語る - 『rockin'on』2017年3月号 ブライアン・イーノ インタビュー掲載
英紙が選ぶ「ブライアン・イーノの名曲」×10(全曲視聴可♪)
★チル・アウトかつ哲学的な瞑想に耽りたい週末を過ごすのにぴったりの音楽といえば、やはりブライアン・イーノ。 英ガーディアン紙がそんなあなたのために、イーノのこれまでの作品から「ベスト10」を選出しています。 (1)同紙が選んだトップ10はこんな感じ。 ↓ 1, Roxy…
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