デビュー20周年のゆず、『SONGS』に登場! YOSHIKIが語った「ゆずの“毒”」とは?

デビュー20周年のゆず、『SONGS』に登場! YOSHIKIが語った「ゆずの“毒”」とは?

今年デビュー20周年を迎えるゆずをフィーチャーした、4月27日放送の『SONGS』。ゆずの音楽はなぜ20年間時代のど真ん中にあり続けたのか?の本質に、25分間の番組の中でダイレクトに迫っていくような痛快さが、今回のオンエアには確かにあった。

2004年のNHK『アテネオリンピック中継』公式テーマソングだった“栄光の架橋”が「メダルに届かなかったアテネ」の悔しさを「監督としての成功」へつなげる原動力になった、とコメントを寄せた柔道家・井上康生。
「歌においては、オリンピック界で伝説の歌のひとつと言っても過言ではない」という井上の言葉を受けて、北川悠仁は「敗者が聴いた時に、もう一度立ち上がれる歌がいいと思って書いた」と“栄光の架橋”の核心を語っていたのが印象的だった。

そして――ゆず20周年にあたって番組にコメントを寄せたもうひとりの人物が、X JAPAN・YOSHIKI。
3月の『SONGS』X JAPAN登場回でナレーションを務めた際、「YOSHIKIさんとX JAPANに出会っていなければ、僕はきっと音楽をやっていなかった」と明かしていた北川にとっては感激の瞬間である。

「僕は、素敵なメロディーっていうのは、どっかに毒を持っているとも思っているんですね。とても人の背中を押すような楽曲ですが、実は産みの苦しみがあるのかとか考えてしまいますね」とゆずの音楽を分析するYOSHIKIのコメント映像に対して、ふたりがそれぞれ万感の想いとともに答える。

「僕らの曲って『前向きで元気になる』って言われることが多いんだけど、そこに辿り着くまでのプロセスって、別に前向きじゃない時もあるし。そういうものが、言葉とかメロディーの中に潜んでいるっていうか。そうじゃないと、人の心に寄り添えないと思っていて……そうやって大事にしてきたことを今言われて、超うれしい!(笑)」(北川悠仁)

「YOSHIKIさんが『毒』っていう言葉を使ってたからびっくりして。僕たちも使うんですよ、『このアルバムのここに毒を盛ろう』って。それがいい意味でフックになるっていうか、時としてそれが起爆剤になったりとか、っていう仕掛けみたいなものはいつも考えてはいるんで」(岩沢厚治)

さらに、YOSHIKI自身「取り返しのつかないくらいの別れがあった」と振り返るくらいのX JAPANの背景があるからこそ投げかけられる「20年の間にどれだけケンカしました?」という質問によって、「基本的には付かず離れず」というスタンスのふたりが10年目の時期に「順調に進んでいたんだけど『このまま行ったらいいものができないんじゃないか』っていう雰囲気を僕は感じて。『もう1回やり直さないか』みたいな感じで……活動の中でそれ1回だけじゃないかな。後にも先にもそんなこと言ったことはたぶんない」という局面を迎えていたことが浮かび上がってくる。

「聴く人の心に深く寄り添う歌であること」と「時代を広く包む普遍的な歌であること」を常に求め続け、20年間にわたって己の道を走り続けてきたゆず。その基本構造がYOSHIKIという先人によって解き明かされた、珠玉のひとときだった。(高橋智樹)
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