【全アルバムレビュー:エレファントカシマシ】8th『ココロに花を』

【全アルバムレビュー:エレファントカシマシ】8th『ココロに花を』 - 『ココロに花を』1996年8月21日発売『ココロに花を』1996年8月21日発売

いち生活者にとっての黄金作

開かれたメロディ、開かれた歌、開かれたサウンドアレンジ。初めて外部プロデューサーとして、佐久間正英を迎えたことも大きい。ロック界の異端、エレファントカシマシが名実ともにポピュラリティを獲得し、セールス的にも一気に音楽シーンのトップステージに足を踏み入れることとなった黄金のアルバムだ。

『東京の空』でエピックとの契約が切れ、ポニーキャニオンに移籍。2年ぶりにリリースされたのが“悲しみの果て”だ。この曲で一体どれだけの人が救われたことだろうか。宮本が失意のどん底から這い上がるべく書き上げた、一発逆転ホームランである。絶望の淵から生まれた、極めてシンプルな音と言葉で綴られた「生きるとはどういうことなのか」という本質。音楽史に燦然と輝く人生賛歌である。ほかにも、《男は侍さ》と嘯く“ドビッシャー男”“孤独な旅人”“四月の風”など生活に寄り添う名曲が本当に多い。宮本と石君による「ガンダーラコンビネーション」作詞作曲の“おまえと突っ走る”も収録。(小松香里)

収録曲:
1.ドビッシャー男
2.悲しみの果て
3.かけだす男
4.孤独な旅人
5.おまえと突っ走る
6.四月の風
7.愛の日々
8.うれしけりゃとんでゆけよ
9.流されてゆこう
10.Baby自転車
11.OHYEAH!(ココロに花を)

※『ROCKIN'ON JAPAN』2016年1月号より転載

過去のレビューはエレファントカシマシのアーティストページをご確認下さい。
http://ro69.jp/artist/2218

次の更新は2017年3月13日(月)7:00です。(毎日7:00、19:00公開予定)
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