なんとも心地好く、聴いていて耳が喜ぶようなサウンド。Salleyが目指していた音が、この3枚目のフルアルバム『Clear』で見事に結実しました。
うらら（Vo）の声のあたたかさとクールさが、上口浩平（G）が作り上げる洗練されたサウンドと美しく融合して、傑作と呼ぶにふさわしい1枚に仕上がっています。特に、Salleyを初めて聴くという人は、その完成度の高さに驚くと思います。

柔らかで切ない歌の世界はもちろんのこと、SalleyにかかればEDM的なアプローチの楽曲も、なぜかオーガニックで、むしろ不思議な浮遊感を感じさせるような、とても気持ちいいサウンドになるのがおもしろい。今回はじっくり時間をかけてアルバム制作に取り組み、ひとつひとつの音の鳴り方にもこだわったというだけあって、全編通して素晴らしいサウンドバランスが楽しめる作品です。

そんな名作『Clear』について、ふたりにじっくり語ってもらいました。制作に当たっては、週一でふたりでのミーティングの場を持つように決めたという微笑ましい裏話などもありつつ、この作品の完成に大きな自信を得たという言葉の数々は、これからのSalleyへの期待値がぐんと上がる、ポジティブでとても嬉しいものでした。
このインタビュー記事は、2017年1月30日（月）発売の『ROCKIN’ON JAPAN』3月号に掲載。お楽しみに！（杉浦美恵）