横浜アリーナのチケットを即完させた、「『新宿スワンII』スペシャルライブ ～SS II SL～」。会場が横浜なのは、2017年1月月21日から公開されるこの新作映画の舞台設定に横浜が含まれているからだろうか。主題歌担当のマンウィズと、挿入歌を提供したUVERworld、マイファスが3マンを繰り広げる豪華イベントだ。

トップバッターはマイファス。彼らのロックサウンドは一瞬一瞬の響きがとてもドラマティックだ。それゆえ映画作品の中でも、強い煌めきを残してゆくのではないか。Hiroは最後の一曲の最中、「僕たちのことを忘れないでください。4年後、東京ドームに立つバンドです！」と堂々宣言して大喝采を浴びていた。

2番手は、前回イベントから連投のUVERworld。前作と新作の映画挿入歌が立て続けに披露されたのだけど、新曲、やばい。ラテンなインダストリアルというか、とんでもないハイブリッド感だ。歌詞も『新宿スワン』そのものに挑みかかるような内容。TAKUYA∞は映画を「エンターテインメントの強敵」と呼んだ。こういう志から生み出される楽曲を、見落としてはならない。

で、今回も来た、主人公・白鳥龍彦役の綾野剛！ TAKUYA∞との仲良しトークが繰り広げられたり、最後には「『新宿スワン』は我々男の世界を描いていますけど、女性の輝きを大切にした映画でもありますので、そのあたりをぜひ観て欲しいです」と語っていた。

そしてトリを務めるのはマンウィズだ。速効性抜群の必殺曲連打でまんまとアリーナを波打たせてしまう。お祭り番をがっちり引き受けながら、新曲群でピークに持ち込むさまが素晴らしかった。さらにヤキニクコールが巻き起こると、今回もギタリスト・綾野剛とのセッションに突入。心意気で弾き倒すような綾野剛の没入ぶりも最高だ。

一期一会でしかありえない類の貴重なイベントだけれど、カルチャーの分野を越えて互いに刺激し合うムードがひしひしと伝わってくる。こういうエネルギーの循環がもっと起こることを望みたい。さあ、次は映画だ。（小池宏和）