「ずっと2人だった これからも」――KinKi Kidsの魅力、相方への想いが凝縮された『SONGS』を観た

「ずっと2人だった これからも」――KinKi Kidsの魅力、相方への想いが凝縮された『SONGS』を観た

今月17日に放送された、NHK『SONGS』はKinKi Kidsの2人が登場し、それぞれの思いを本音で語った、とても興味深い内容だった。

個性もやりたいこともバラバラな堂本光一と堂本剛が、なぜKinKi Kidsというユニットをこれまで続けてこれたのか、その答えを、個別インタビューで語られた言葉の数々とスタジオライブとで、きっちり提示する構成になっていた。
ファンが不安に思っていたのは、まさに、光一も剛も、それぞれにやりたいことが明確にあって、それゆえにKinKi Kidsという唯一無二の存在が、いつしかなくなってしまうのではないか、2人にとってKinKi Kidsという存在は、デビューから20年目を迎えた今、どう変わってしまったのか、ということだったのではないかと思う。

結論から言えば、KinKi Kidsは、2人が真逆だからこそここまで続いてきたし、これからも続いていくのである。「仲良しこよしでいることが、ひとつのエンターテインメント、ひとつの作品を作る上で、すべてではないと思う」と光一は語る。剛も「(光一のソロは)あいつがやりたいことをやればいい。『遠くから見守る愛』だってあんねんっていうことに、なんで気づかへんのかなっていう苛立ちは、ずっとある」と言い、2人の間に純然とある、言葉にするまでもない、2人にしかわかり合えない繋がりを言葉にしてくれた。

ダンスと歌を極上のエンターテインメントとして昇華させていきたい光一と、楽器を独自にマスターし、バンドサウンドを追求していきたい剛。その真逆な2人だからこそ完成させることができた楽曲のひとつが、吉井和哉作詞作曲の“薔薇と太陽”だったのではないかと改めて思う。この放送のスタジオ演奏でも、光一は華麗なダンスを披露しながら歌い、剛はバンドをバックにギターを弾きながら歌う。カメラがそれぞれにその姿を映すと、まるで同じ曲を今歌っているとは思えないほど、2人のスタンスは違って見える。けれど、カメラが引いて、いざ2人を同じ画面にとらえれば、そこにはもうKinKi Kidsであるとしか言いようのない、バランスのとれた独自の世界ができあがっている。そういうことなのだ。

最後に、光一が曲を作って、剛が歌詞を書いた“愛のかたまり”を披露したのもよかった。KinKi Kidsの未来がまた楽しみになった。(杉浦美恵)
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