【コラム】いよいよ再始動! 実はTHE YELLOW MONKEYこそ真のオルタナバンドだった!

【コラム】いよいよ再始動! 実はTHE YELLOW MONKEYこそ真のオルタナバンドだった!

今年1月に再始動が決まってからは、THE YELLOW MONKEYの音楽に出会った当時のことを思い出したり、友だちと語りあったりと、やはりイエモンのことを考える日が多かった。私がTHE YELLOW MONKEYを初めて聴いたのが1994年のこと。リリースされたばかりの3rdアルバム『JAGUAR HARD PAIN』が最初だった。個人的に90年代前半は英・米の洋楽ばかり聴いていた時期でもあり、まわりの音楽好きの友人たちも、いわゆるオルタナティヴロックに傾倒していた。そうした、言ってみれば洋楽指向の友人たちが、同時多発的に「イエモンはいい」と言い出したことが、THE YELLOW MONKEYを知るきっかけとなった。オルタナやミクスチャーなどの洋楽を中心にかけるクラブでDJをしていた知人が、突然「イエモンをかけたい」と言い出したり、ふだんはスマッシング・パンプキンズやレッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ダイナソーJr.など洋楽の話題で盛り上がっていた友人たちが「今度イエモンのライヴに行く」と言い出したり、彼ら、彼女らにとってなぜか「イエモンは特別」な存在になっていることを、遅ればせながら知った次第であった。

『JAGUAR HARD PAIN』、そして『EXPERIENCE MOVIE』と遡って聴き、もちろん私も惹き付けられていく。“VERMILION HANDS”や“審美眼ブギ”の、日本人離れしたこなれたリズム、“A HENな飴玉”や“赤裸々GO!GO!GO!”の妖しい猥雑さ、シアトリカルな“MERRY X’MAS”、一度聴いたら頭から離れない曲ばかり。デヴィッド・ボウイやT.レックスに結びつけるのは簡単だったが、それ以上にもっと直接的に肌をざわっとさせるようなサウンド。日本のGS(グループサウンズ)を思わせる曲や、昭和歌謡の湿度を持った楽曲などは、まだまだ頭の固い若かりし自分なら、本来受け付けなかったはずなのに、その麻薬のようなサウンドに、いつしか見事にハマっていってしまった。

THE YELLOW MONKEYの楽曲が洋楽指向のリスナーたちの心を掴んだのは、サウンドが洋楽っぽかったからだとか、自分の好きな洋楽アーティストの影響下にあるから、といった単純な理由ではなかった。グラムロック、ハードロック、ブルース、GS、歌謡曲、シャンソン、あらゆる音楽ジャンルを飲み込んだ、飛び抜けたオリジナリティに当時の私たちは真の意味での「オルタナティヴ」を感じていたのだと思う。

いよいよツアーが始まる。1曲目は完全に“ALRIGHT”で決まりだと思っていたのに、「1曲目予想企画」が実施されたということは……? 頭の中でいろいろな曲をシミュレーションしてみると、もうどの曲もアリな気がしてしまうけれど、最終的な私の予想は“SPARK”。その瞬間を妄想しながら当日を待ちます。(杉浦美恵)
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