※3月26日発売、back numberのニューアルバム『ラブストーリー』を、発売日までカウントダウンしながら1曲ずつレビューしていきます。
M-5 “光の街“
『ラブストーリー』のなかで、僕がいちばん好きなのがじつはこの曲。キラキラと弾けるようなギターの音色と軽やかなリズムに合わせて、“日曜日”にも通じる「日常の幸福」を歌った歌だが、あの曲が日曜日の幸せを歌いながら心の隅に引っかかった小さな諦めや後悔を感じさせるのとは違い、この曲はどこまでもポジティヴなトーンで「君」との生活を受け入れてみせる。サビで《君は知っているのだろうか/こんなにも救われている僕を/こんなにも世界が輝いて見えてる事を》と言い切ってしまう強さ、言葉の2コーラス目のAメロ、《コンビニのくじで当たったアイスを食べながら/自分で買うのより美味しいね別に同じだろ/文句を言うならあげないよとにらんでいる/君から僕は大切なものをもういくつももらったよ》というフレーズに感じる絶対的な肯定性。そこから世界は始まっていくし、物語は重なっていくのだという確信が、この、どちらかといえばあっさりとしたタッチの曲の背骨となっている。そして、何よりも決定的なのは《思い出は時間をかけて美しくなってゆくけど/今見えるこの景色もこれはこれで》という一節。この歌の物語は「僕」という主人公のものだが、この言葉には清水依与吏の今の思いが凝縮されていると思う。
明日はM-6 ”高嶺の花子さん”です。
アルバム発売まであと8日!
↓これまでのレビューはこちら。
M-1 ”聖者の行進“
http://ro69.jp/blog/ogawa/98879
M-2 “繋いだ手から“
http://ro69.jp/blog/ogawa/98907
M-3 “003”
http://ro69.jp/blog/ogawa/98928
M-4 “fish”
http://ro69.jp/blog/ogawa/99019