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    KANA-BOON『Origin』全曲カウントダウンレビュー(6)「インディファレンス」

    KANA-BOON『Origin』全曲カウントダウンレビュー(6)「インディファレンス」

    2月17日リリースのKANA-BOONサードアルバム『Origin』。その発売に向けて、収録曲を1曲ずつレビューしていきます。
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    6. インディファレンス

    個人的に、このアルバムのハイライトのひとつともいえる曲がこの“インディファレンス”。前の“anger in the mind”に引き続き古賀隼斗のハードなギターリフが主体のロックチューンだ。タイトルの「インディファレンス」=indifferenceとは無関心という意味。KANA-BOONにしてはかなり珍しく(初めてかもしれない)、社会派ともいえる歌詞が展開する。具体的な題材やきっかけがあったのかはわからない。だが、これは《弾丸》や《血》という言葉がリアリティをもたない平和な世界に生きる僕たちの残酷さを告発するような、硬派なメッセージソングだ。

    とはいえ、「過ぎ去っていく時間」やそれを前に何もできない自分というモチーフは、谷口鮪が常に自分のものとして描いてきたテーマでもある。しかしこれまでは徹底的に一人称的だったそのテーマが「社会対自分」という枠組みの中で捉え直されることで一気に普遍的なものになっていることは特筆すべきだ。音楽的にも緊張感溢れる展開とパワフルな演奏でバンドの新しい姿を見せつけるキラーチューンである。
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