11年目の武道館、UNISON SQUARE GARDENはまぎれもないヒーローだった

11年目の武道館、UNISON SQUARE GARDENはまぎれもないヒーローだった
今日、2015年7月24日はUNISON SQUARE GARDENが2004年に結成されてからちょうど11年目の記念日。そんな日に開催されたバンド初の武道館ワンマンで分かったこと。

ユニゾンは最強のロックヒーローだった。

そこに集まったファンにとっても、スタッフにとっても、バンド仲間にとっても、そしてメンバー自身にとっても。正面突破で王道を切り拓き、たった3人でロックの楽しさと豊かさを何よりも体現し、それが結果的に誰かの人生を救ってしまうような、ヒーローとしてのロックバンド。それがロックの殿堂で、いっそうの輝きを放った。

せっかくだからということで振られたMCで、鈴木貴雄は「ユニゾンに救われてここまでやってこれました」と言った。田淵智也はアンコールで「君が好きなロックバンドは他の誰が何を言おうとかっこいいから、自信を持っていいよ」とオーディエンスに語りかけた。そして斎藤宏介は最後の最後に「僕らにとって大事なあなたの大事なバンドであり続ける」と宣言した。

僕はこれらの言葉は3つとも、とどのつまり同じことを言っているように思う。それは、ロックバンドがいかにすごくて、信じるに値するものであるかということ。そして今日この日が、まさにロックバンドを信じ続けてきた結果だということ。


ユニゾンは大それたロマンを語るわけでも、美辞麗句を並べ立てるわけでもない。曲間のMCで語られるのは、「昨日引っ越した」(斎藤)とか「おみくじ引いたら7月の運勢だけ『言葉に注意』とネガティヴなことが書かれていた」(田淵)とか「初めてタクシーでドアtoドアで来てみた」(鈴木)とか、そんなことだ。でもその楽曲には現実を変えて未来を創るエネルギーが溢れているし、音が鳴っているあいだの3人は無敵だ。

なぜなら、彼らはロックバンドを信じているからだ。ロックバンドに対する信頼が誰よりも強いから、そのパワーを誰よりも受け取ることができる。それが曲になって、ステージで爆発する。その最強型がつまり今日の武道館だった。

実際ユニークなバンドだし、一見ものすごくオルタナティヴなバンドにも見える。おそらくいろんな誤解を引き受けながらここまで来たのだろう。でも、僕はやっぱり、ユニゾンこそが王道なんじゃないかと思う。ロックバンドが、ロックバンドであることを全力で証明するような今日のライヴを観ていて、改めてそう思った。すごいよ、ユニゾン。
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