グッドモーニングアメリカ『inトーキョーシティ』全曲カウントダウンレヴュー( 6)

グッドモーニングアメリカ『inトーキョーシティ』全曲カウントダウンレヴュー( 6)

グッドモーニングアメリカ、メジャー2ndフルアルバム『inトーキョーシティ』発売まであと7日! 1週間!

日替わりカウントダウンレヴュー、今日は6曲目“コールアップ”です。

これはグドモ主催のコンピレーション『
あっ、良い音楽ここにあります。その四』に収録されていた新曲。抜けのいいギターサウンドと軽快なスネアの音が爽やかで、このぐんぐん広がっていく感じはグドモ的に新鮮かもしれない。夢や希望を抱いていた「あの日」を懐かしみながら、それを今こそ取り戻したいと強く願う歌だ。すごく普遍的な感情を、すごくストレートに鳴らしている。ここまでの4曲はどちらかといえば前へ前へと進む力強さとか勢いとかを感じさせる楽曲だが、この曲と次の“夕暮れ”はふと足を止めて息をつくようなセンチメンタルな空気を感じさせる。こういう曲を聴くとき、グッドモーニングアメリカというバンドの「大人」な部分が顔を出してきて、僕は同世代としていたく共感するのである。

でも「大人」というとちょっとニュアンスが違うかもしれない。今の自分を、あの頃の俺はどう思うかなとか、あの頃は楽しかったなとか、そういう気分に襲われることは、生きていれば誰でもある。でもこの曲はそのノスタルジックな気分を、ノスタルジーのままにしておかない。「昔はよかった」を能動的に乗り越え(そのためのアクションを象徴するのが「コールアップ」なのだ)、その上で「あの頃」の続きにある夢や希望の物語を、ここから始めようとする。「あの頃」が「今」と繋がって、思わず走り出したくなるような気分になる。それができるのは、グドモがまさにそうやっていくつもの波を乗り越え、でも自分たちの信じるものはブラさずに、歩いてきたバンドだからだ。甘酸っぱいしぐっとくるけど、この曲で歌われる感情は、どういうわけか「切ない」とは違う。ノスタルジーがきれいにポジティヴィティに転化されていくような歌詞が生まれたのは、まさに金廣がそういうふうに生きているからだと思う。

明日は7曲目“夕暮れ”について書きます。

これまでのレヴューは以下。

1. inトーキョーシティ
http://ro69.jp/blog/ogawa/111450
2. アブラカタブラ
http://ro69.jp/blog/ogawa/111490
3. 何とかなるでしょう
http://ro69.jp/blog/ogawa/111512
4. STOP THE TIME
http://ro69.jp/blog/ogawa/111532
5. 拝啓、ツラツストラ
http://ro69.jp/blog/ogawa/111617
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