「彼は知っていた」リサー・マリー・プレスリー

「彼は知っていた」リサー・マリー・プレスリー

家の回りはバーたたくさんあって
金曜日ともなると祭りかというくらい
人が集まってくる。
今はカーステレオからガンガンに『OFF THE WALL』が
流れている。もうミッドナイトなんですけど(笑)。
ナイス!

街に出たら、ホールフーズ(スーパーマーケット)でも
マイケル・ジャクソンが流れていたし、道ばたでホットドックを売っているおじさんまで
マイケル・ジャクソンを流していた。

今日の朝NBCに出演していたLAリードが
「余計な噂話はもう止めて、マイケルの音楽を鳴らして欲しい」
と言っていたけど、正に、街ではそんな現象が起きている。


iTunesもアマゾンも、バーンズ&ノーブル(大型チェーン店本屋)も、1位から15位まで、ブラック・アイド・ピーズが唯一顔を出しながらもほとんどマイケル・ジャクソンが独占状態だ。
DVDの売り上げも1〜5位はマイケル。


ここ数年、彼の奇行のほうに焦点を当てていたメディアも
なんとなく反省した面持ちで、哀しいかな彼の死によって彼がいかに偉大なアーティストであったのかを再確認したかのような報道をしている……。


ミュージック・ビデオなんか流さなくなったMTVが久しぶりに本当にミュージック・ビデオを流し続けているし。
生放送した彼の追悼番組もかなり気合いの入ったものだった。


色々な人がマイケルについて証言したり、コメントしたりしている。
今日CNNに登場した彼の20年来の友人であり医者でもある
Deepak Chopra氏の発言が印象的だった。
マイケルが処方箋薬を彼にくれないかと言ってきたこと。
そんな薬は渡せない。それを治す方法は他にいくらでもあると
言ったことがある。という話。Chopra氏は、続けてアメリカにはびこる最大のドラッグ問題は、ストリートになるのではなく
特にハリウッド・スターなどに医者が合法で渡す処方箋薬にあると
語っていたが。そんなたちの悪いドラッグ・ディーラーのような医者を一刻も早く取り締まるべきだと。ヒース・レジャーのみならず
こんな世界で唯一無比のアーティストを失ったのだから、と。


マイケルは、子供の頃に受けた虐待や早くからスターであったことで数々のトラウマを抱えていた。だから人が「奇行」だと決めつける行動の裏には、その原因があったのだと。


また彼が子供達を好きなのは、自分には子供時代がなかったわけだから、自分の失われた時代を子供達を見て取り戻しているのだと。
また、大人は自分に酷いことをするが、子供は決して自分に意地悪はしないとも言っていたと。


さらに、彼が普段願っていたことは何ですか?という質問に、
彼は理解されたいと思っていた。そして、喜びをクリエイトしたいと思っていた、
と答えていた。


また、リサ・マリー・プレスリーのMYSPACEでの告白が一番痛烈だ。
「彼は知っていた」と題されたその書き込みは、全文訳したいくらいだが、彼女はそこで、彼がいつかエルヴィスのように自分も死ぬのではないかと予期していた、と告白している。
彼女はそんなことはない、と彼を救いたいと思った
のだそうだ。そして彼を救うことに必死になり
自分を見失ってしまったと。しかし、
「自分を含む、彼を救おうとしながら救えなかった人達は
それを責めるべきではないと思う。なぜなら、彼は今きっと
とうとう自由になれたはずだから」と。


彼はとうとう無責任で残酷な、私達大衆から開放されたのだ。
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