〈サマソニ出演〉ケンドリック・ラマーの最新NYフェス大トリが圧巻。日本夏フェスではとにかくケンドリック。LAUVも出演。Govballレポート1

〈サマソニ出演〉ケンドリック・ラマーの最新NYフェス大トリが圧巻。日本夏フェスではとにかくケンドリック。LAUVも出演。Govballレポート1 - pic by AKEMI NAKAMURApic by AKEMI NAKAMURA

a. ケンドリック・ラマーは今年のサマーソニックで必見です、って当たり前すぎて言うまでもないのは重々承知だけど。今年の夏フェスで観てもらいたい唯一のアクトとすら言いたいくらい。NYで先週末6月9~11日に行われたガバナーズ・ボールに大トリで出たケンドリックのライブが素晴らしすぎた。

キャリアの中でも、最高を極めているばかりか、今の音楽シーンの最高峰。

1)彼のライブは、2021年に、パンデミック後初めて行われたラスベガスでのDay N Vegasフェスから毎回進化し続けている。

あの時は、非常にアーティスティックかつ女性のバレリーナと男性ダンサーが出演したシアトリカルな内容だった。また、最初から『Section.80』から『DAMN.』をパフォーマンスすると告知されていたため、全アルバムから順番にパフォーマンスされた。

2)その次は、2022年のグラストンベリーで、これも2021年のラスベガスのステージのコンセプトを引き継いだシアトルカルな設定でありながら、中継で観た人もいるかもしれないけど、最新作のジャケットでもかぶっているキリストのいばらの冠をかぶって登場し、最後に頭から血を流した衝撃的な内容だった。



3)その後は、最新作『Mr. Morale & the Big Steppers』のアリーナ単独ツアー。今フェスのライブを観るとより分かるのは、このツアーは、セットも内容もこれまでで最も凝ったコンセプチュアルなもの。なので、やはり2万人を収容する屋内でしっかりと観てもらいたいという意図があったのだと思う。

NYだったら2万人の会場で、3日間行ったので、スタジアムで1日ということも可能だったはずだ。しかし、繊細とも言える表現をちゃんと観せたかったのだと思う。もちろんそれでいて思い切りパワフルでもあったのだけど。ライブ全体は、最新作に引っ張られる内容だった。

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4)この4段階を経てのこの世界でのフェス出演に至る。おそらく、単独ツアーで最新作のアーティスティックな面で彼が表現したことはしっかりと表現できているので、ここではセットもダンサーも可能な限りシンプル。

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もちろんヒット曲ばかり次々に演奏されるのだけど、それだけで盛り上がっているというものではない。ただ、何度か変わるバックグラウンドのペインティングも、ダンサー達も、彼なりのコンセプトがあってのことなのだが、実は、ライブが始まってしまうと、ケンドリックしか目に入らなくなる。という意味ではちょっと矛盾しているけど。

しかし、それくらいパワフルさと洗練の両方を兼ね備えたパフォーマンス。しかも、これまでで最も冴えまくっている。ここまでのライブも常に冴えまくっていたけど、それを重ねたおかげで、ここで頂点を極めているのだ。

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単独ツアーの時と同じく曲と曲の間は暗くなり、ケンドリックは、その闇の中で、下を向いていたりするのだけど、その間ファンは毎回、「ケンドリック!ケンドリック!」と盛り上げる。最新作寄りだった単独ツアーに比べるとずっとキャリア全体からヒット曲を次々に演奏する内容。途中、これは単独でも最も盛り上がった場面のひとつだったけど、Baby Keemも出演で”family ties”をパフォーマンス。その時の熱気と言ったらない。そこから、”Alright”なので、頂点に継ぐ、頂点。

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先に言っておくけど、本当にあっと言う間に終わってしまう。なので、みなさんとにかく最初から最後まで全身全霊楽しんで欲しい。ケンドリックのライブを観たら、この夏観てきたその他のアクトは全部ぶっ飛ぶくらいだから。

サマソニは、なんとリアム・ギャラガーからのケンドリックという流れ。今年の日本の夏フェスのハイライトで間違いないと思う。

この日のセットリストは以下の通り。
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1. N95
2. ELEMENT.
3. A.D.H.D
4. King Kunta
5. Worldwide Steppers
6. Nosetalgia (Pusha T cover)
7. Backseat Freestyle

8. m.A.A.d city
9. Swimming Pools
10. LOYALTY.
11. Purple Hearts
12. DNA.
13. Rich Spirit
14. HUMBLE.
15. Sidewalks (The Weeknd cover)
16. Count Me Out
17. Money Trees
18. Bitch, Don’t Kill My Vibe
19. Die Hard
20. LOVE.
21. family ties
22. Alright
23. Savior

b. LAUVに女子が絶叫
こちらもサマソニ出演のLAUV。

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ライブが開始すると、女子達が「きゃーーーーー」っと絶叫しながらステージに向かって走ったばかりか、全ての曲が大合唱。その歌詞は割とエモくて最近の男性アーティストの流れでもあるように思えたけど、とにかく女子の絶叫と大合唱と一字一句抱きしめるかのような歌い方に、彼女たちがどれだけ聴き込んでいて、彼女たちにとってどれだけ意味のある歌詞なのかも実感した。サマソニでの盛り上がりも楽しみだ。

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このNYフェスについては、この後もフジロック出演のリゾから、大注目のアイス・スパイス、ピンクパンサラスなどをご紹介したいのと、なんとフィニアスにインタビューできたのだ。おそらく日本で初!なのでは?なども引き続きレポートさせていただきます。

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