ビヨンセは強い。グラミー賞の感動的なスピーチも、グラミー賞直後に発表したシングル“SHINING”も素晴らしい

ビヨンセは強い。グラミー賞の感動的なスピーチも、グラミー賞直後に発表したシングル“SHINING”も素晴らしい

ビヨンセは、自分は最優秀アルバム賞を獲らないと思っていたのかもしれない。彼女が最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム賞を受賞し、カードに書いた長いスピーチをしたが、それがあまりに完璧で、あまりに感動的で、もうこの後に言うことはないくらいだったから。

神々しいばかりのビヨンセ。

「私達は誰もが痛みや喪失を経験するけど、それをどうやって声にすればいいのか分からなくなるものだ。私が今回映画と音楽を作ったのは、私達の痛み、葛藤、闇、そして歴史の声となるためだった。それと向き合うことは、決して心地良いことではない。だけど、子供達のためにもその中に美を映し出すことがすごく大事だった。それが、子供達が成長して行く世界が見える鏡になると思ったから。まず自分の家族の中で、そしてTVのニュースにおいて、さらにスーパーボウルで、オリンピックで、ホワイトハウスで、そしてグラミー賞でも、子供達が自分の姿を見られることが大事だと思った。なぜなら私は子供達が美しく、知性があり、可能性を持っているということに何の疑問も抱いていないから。すべての人種の子供達にそう思ってもらいたい。そして、私達は、過ちを繰り返す傾向があるということを過去から学ぶということは、非常に重要なことだと思っている」

スピーチのビデオはこちら。
https://www.grammy.com/videos/beyonc-wins-best-urban-contemporary-album-grammy

さらに、この日、ビヨンセの娘のブルー・アイビーちゃんがかわいかったこと! 洋服はプリンスのオマージュというから完璧。

Best seats in the house for a certain special performer! 😉Be sure to keep watching the #GRAMMYs on @cbstv!

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ビヨンセは、グラミー賞でアデルが最優秀アルバム賞を受賞した直後にシングルを発表した。厳密に言えば、ビヨンセのシングルではなく、DJ Khaledのシングルであり、Jay Zとも共演の“Shining”だ。

音のサンプルはこちらで聴ける。
http://pitchfork.com/reviews/tracks/18765-dj-khaled-shining-ft-beyonce-jay-z/

この曲で、ビヨンセも、Jay Zも、これまでいくつもの賞を獲ってきたけど、そんなことに関係なく、進み続けるんだ、ということを、非常に軽やかなサウンドで“Shining”とラップしている。

これを受けて、ニューヨーカー誌は、「ビヨンセはグラミー賞の最優秀アルバム賞を獲らなかったが、この曲で即座に、負けを勝利に変えてみせた」と書いている。
http://www.newyorker.com/culture/culture-desk/listen-to-shining-beyonces-last-word-at-the-grammys

またNYタイムズ紙も、あえて戦ったビヨンセを賞賛。「ビヨンセが勝ち得たものは、グラミー賞より大きい」と書いている。

「ビヨンセは、今回白人のリスナーにも聴きやすいサウンドを選ぶ代わりに、自分の目標を、自分の子供達を、自分のコミュティーを代弁する作品を作ることを選んだ」
「それは、数えきれないほどの黒人の視聴者の人生を変えた。白人の役員にあまりに長い間支配されてきた伝統に一石を投じた。その勝利というのは、本棚に飾られるようなものではない。その勝利は、アーティストが生涯誇りにすべきものだ。なぜなら、彼女は本当に世界を変えたのだから」
https://www.nytimes.com/2017/02/14/opinion/what-beyonce-won-was-bigger-than-a-grammy.html?_r=0
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