カニエ・ウェストが10月2日、NYで行われた『The Meadows』というフェスでヘッドライナー出演したのだが、1時間弱演奏したところで「申し訳ない! 家族の緊急事態が発生した。ライブを止めないといけない」と言って突如中断した。
主催者は当初「10分休憩」とアナウンスしたが、即「カニエはもう会場を去りましたので、ここで終わりです。気をつけて帰ってください」とアナウンスした。
会場には、カニエのライブを観るために身動きがまったくできないほどの観客がいたので、ブーイングも出たほどだったが、「家族の緊急事態」ということで、みなしぶしぶ帰った。
家に着いてみたらローリング・ストーン誌が、パリのホテルで、キム・カーダシアンが警察の格好をした強盗に襲われ、銃を突きつけられたと報じている。
http://www.rollingstone.com/music/news/kanye-west-ends-meadows-set-abruptly-due-to-family-emergency-w442998
ケガなどはなく、今は安全な場所にいるという。とりあえず良かったが、かなり動揺しているということで、カニエが心配するのも当然だ。
カニエは“Heartless”の演奏中に突然止めたのだが、その瞬間の映像はこちら。
https://twitter.com/Genius/status/782762614996762624
中断するまでのカニエのライブはあまりに素晴らしくて、いかにカニエが天才なのかという原稿をもう頭の中で書き始めていた矢先だった。その美しさ、アート性の高さは、基本的には全米ツアーで見せた『パブロ』ツアーにかなり近い形で再現していて、フェスという場所でそこまでやってのける彼の拘りと努力に敬意を表したい気持ちでいっぱいだった。始まりの瞬間に花火を上げたのだけど、そもそも最初に上げるのも珍しいし、しかも選んだ花火が繊細で美しい色だったのだ。曲は会場4万人を踊らせ、合唱させ続ける強靭なものばかりだった。観客はかなりの消化不良を体験してしまったが、それがなかったら、本当にこのフェスは結局すべてカニエだった、と書こうと思っていた。
メイン・ステージでカニエの直前に出演したチャンス・ザ・ラッパーも、「僕の名前はチャンス・ザ・ラッパーです。イリノイ州シカゴ出身です。今日は、イリノイ州シカゴ出身のカニエ・ウェストの前座をするためにここに来ました!」と謙虚な発言を連発していたし、カニエの直前に別のステージでライブをしていたThe 1975も、「もうすぐカニエだよ!」をかわいく連発していた。両者とも、わざわざそんなこと言わなくても、彼らのファンが思う存分楽しんでいたのに。
フェスについてはまたレポートします!