サム・スミス「オスカーのパフォーマンスは人生最悪の瞬間」と語る。受賞スピーチも問題に

サム・スミス「オスカーのパフォーマンスは人生最悪の瞬間」と語る。受賞スピーチも問題に

サム・スミスは、歌曲賞(Best Original Song)でオスカーを受賞したが、そのパフォーマンスについて「人生最悪の瞬間だった」とコメントしている。
http://consequenceofsound.net/2016/02/sam-smith-says-his-oscar-performance-was-the-worst-moment-of-my-life-and-ours-too/

理由は音を何度も外してしまったため。確かに何度も外している……。そのため、かわいそうだけど、このパフォーマンスが良かったという人はいない。逆に、音程がばっちりだったザ・ウィークエンドを誉める人が多かった。

またサム・スミスは運が悪いことに受賞した際「イアン・マッケランがゲイを公言してオスカーを獲った人はいないと言っていたのをどこかで読んだことがある。だから僕は、ゲイを公言して初めてオスカーを受賞したことになる。もしそうなら、またはそうではなかったとしても、この賞は世界中のLGBTコミュニティに捧げたいと思う」と語ったのだが、ここで一斉に突っ込みが入った。NYタイムスまでが記事にしている。
http://www.nytimes.com/2016/03/01/arts/sam-smith-the-only-openly-gay-oscar-winner-not-really.html?_r=0

サム・スミスがゲイを公言してオスカーを受賞した初の人物ではなかったからだ。エルトン・ジョンが受賞しているし、その他にも『ミルク』の脚本家のダスティン・ランス・ブラックなどが受賞している。

受賞後の会見で、「あなたが初の人ではないです」と記者に言われて、「それじゃ2番目だ。2は僕のラッキー番号だ」と発言。いや、2番目でもないから……と(苦笑)。

脚本家のランス・ブラックは「本当にLGBTコミュニティの前進を思うなら、過去にどんな人達が頑張ってきたのかを知ることは大事だ」とツイート。
サム・スミスは、「1番目でも、2番目でも、100番目でも、そこはポイントではなくて、僕が言いたかったことは、自分が心から愛するLGBTコミュニティに光を当てることだった。遅くなって申し訳ありません。ランス・ブラック、オスカーおめでとう。あなたの映画をこれから見ます」とツイート。

ランス・ブラックがオスカーを獲った時のスピーチはあまりに感動的だったことでも有名。

しかし、あまりに騒動になってしまったので、最後に俳優イアン・マッケランまでがツイートする羽目に。「僕が言ったのは、ゲイを公言している俳優がオスカーを獲ったことはない、だった。でも、だからと言ってそれでサム・スミスのオスカーの意味が軽減するわけじゃない。おめでとう」と。さすがにすべてをまとめてくれるコメント。

サム・スミスもこのネット時代にオスカーで適当なことを言うとどんなことになるのか、身にしみたかもしれない。まったく悪気はないと思うのでかわいそうだけど。そもそも「そうではなかったとしても」とちゃんと言ってるのに。

グラミー賞を獲った時も、会見で「トム・ヨーク版の“スペクター”はどう思ったか?」と聞かれて「トム・ヨークって?」と答えていたし……。突っ込まれやすいタイプなのかもしれない。
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