アデルの『25』、アメリカでは発売からたった4日で240万枚突破。イン・シンクを抜き史上最高記録達成

アデルの『25』、アメリカでは発売からたった4日で240万枚突破。イン・シンクを抜き史上最高記録達成

今年最も期待されていたアルバム、アデルの『25』が発売。アメリカでは、期待以上の驚異的な売り上げを記録している。なんとイン・シンクの記録を抜き、史上最高記録樹立をしてしまった。

ニールセンの発表によると、発売から4日目で、なんと2,433,000枚の売り上げ! これは1991年にニールセンが記録を発表し始めて以来、発売初週の売り上げとしては史上最高の数字。これまではイン・シンクが2000年に発売した『No Strings Attached』の2,416,000枚という記録が最高だった。

巷では当初、250万枚売れると予測されていたのだけど、ニールセンは、この分だと、1週間で290万枚、または300万枚いくかもしれないとすら予想している。iTunesでは初日だけで90万枚の売り上げを記録。アルバムが売れないと言ったのは誰だっけ?という勢いだ。

もちろんこれはすでに今年最大の売り上げ。テイラー・スウィフトの『1989』が今年だけで176万枚売れて、それが今年最高の売り上げだったが、それもたった4日で抜いてしまった。

ここ最近では、去年発売のテイラー・スウィフトの『1989』が、1週間で129万枚の売り上げを記録し、それが過去10年で最高の数字だった。

ニールセンの副社長がLAタイムスに語ったところによると「去年テイラー・スウィフトが1週間で130万枚を売り上げ時、ワオ、今の時代にこんなことが起きるんだ?と驚いたものだが、アデルの『25』は、イン・シンクの最高記録を抜くなんてものではなくて、破壊するくらいの売り上げだ」と。
http://www.latimes.com/entertainment/music/posts/la-et-ms-adele-25-record-breaking-sales-may-surpass-nsync-20151123-story.html

イン・シンクの記録は、過去15年間抜かれることがなく、音楽の売り上げが下がっていたため、恐らく今後抜かれることはないと思われてきた。1週間で100万枚を超すというのは、1990年代の終わりから2000年代始めにかけては当たり前だったが、昨今はそんなことがあると、その年最大のイベント、とみなされるようになっていたから。

例外がテイラー・スウィフトで、2014年の『1989』、2012年の『レッド』(121万枚)、2010年の『スピーク・ナウ』(104万枚)でコンスタントに100万枚超えを記録し、レディー・ガガも、2011年『ボーン・ディス・ウェイ』(110万枚)で100万枚を超えていた。

今年発売されたアルバムとしては、ドレイクの『If You Are Reading This』が、1週間で53万枚を売り上げ1位だったが、最近ジャスティン・ビーバーの『パーパス』が、それを抜いて64万枚の売り上げを記録したばかりだった。アデルがなければ快挙に思える数字が、思いきりちっこく見える(すいません)。

ちなみに、『25』は、現時点では、スポティファイなどでのストリーミングは行っていない。それも、売り上げが高い理由のひとつのはずだ。

アデルの前作『21』は、アメリカで、2011年に442万枚売り上げ、2012年には582万枚売り上げている。現時点で計1123万枚の売り上げを記録。世界では3000万枚売れている。

普通これくらいの売り上げを記録すると、「クソみたいなポップソングが売れて」と仮想敵にするロック・アーティストが出て来たりするが、アデルは、仮想敵にもならないだろうところがスゴい。最近ではピッチフォークも、シングル“When We Were Young”をベスト・ニュー・ソングとして評価していた。
http://pitchfork.com/reviews/tracks/17840-adele-when-we-were-young/

またローリング・ストーン誌は、『25』に満点の5つ星を付けている。びっくり!
http://www.rollingstone.com/music/albumreviews/adele-25-20151124

ちなみに、ピッチフォークもアルバムは、7.3点で悪いわけではない。
http://pitchfork.com/reviews/albums/21246-25/

アデルは、手術などのせいで、まだしっかりと全米ツアーなどをしていない……それなのにこれだけ売り上げているのもまたスゴいのだが、今回はツアーして欲しいと思う。ローリング・ストーン誌によると、ツアーをするのかしないのかは、クリスマスくらいに決めるということ。なんという余裕……。アルバム、プロモ、ツアー、というのは、アーティストの日常なはずだけど、アデルの場合はそれすら掟破りだ。
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