U2ボノ「そのコンサートに行っていた僕だったかもしれないし、君だったかもしれない」と困惑のコメント

U2ボノ「そのコンサートに行っていた僕だったかもしれないし、君だったかもしれない」と困惑のコメント

パリでテロが起きた時に、そこからわずか4キロの場所で翌日ライブを行うことになっていたU2。

本来その日のライブはアメリカのケーブル局で放送されることになっていたのだが、延期された。

ボノが、アイルランドのDJに事情を説明した。ローリング・ストーン誌が報じている。

ニュースを知って、全スタッフがすぐに避難したそう。
「ホテルの裏口にみんなで集まり、世界中の人達がそうだったように、信じられないようなその事件を、みんなでTVで釘付けになって見ていた。だけど、僕らは全員無事だった」。

また土曜日のライブについては、
「僕らが止めたわけではなかった。キャンセルされたんだ。それは当然のことだったと思う。いつライブをしていいかは、フランス政府とパリ市が決めることになっている」。

「僕らが今何より思うのは、イーグルス・オブ・デス・メタルのファンについてだ。何しろ、よく考えてみれば、昨日犠牲になった大多数の人は、音楽ファンだったことになるわけだから。
これを”対テロ戦争”と呼ぶのか何なのかよく分からないけど、音楽が、初めてそれに直接に攻撃されたことになる。それにはあまりに当惑してしまう。
彼らは僕らの仲間だ。そして、そのコンサートに行っていた僕だったかもしれないし、君だったかもしれないんだ。その場の状況が、君にも、僕にもよく分かるはずだ。だから、この虐殺者達の冷酷さに、あまりに困惑するし、どうしても頭から離れない」。

ボノは続けて「音楽はとても大事なものだ」とコメント。「そしてU2には、担うべき役割がある。だから、パリに戻って、演奏する日が待ちきれない。そして、僕が今音楽ファンから受け取っているメッセージというのは、そういう奴らが、僕らの命を手中にすることはできない、ということだ」

ボノはそのインタビューで、911の1ヶ月後に、NYのマジソンスクエアガーデンでライブをした時のことも語っている。それは、バンドのキャリアにおいても最も感動的なライブであったということ。

「マジソンスクエアガーデンのライブは、本当に信じられないようなものだった。
それは、これが僕らであり、それを誰かが変えることはできない、というものだった。
そういうことが起きたからと言って、僕らが人を憎むような人間に変わってしまうことはないんだ、というものだった。
それがマジソンスクエアガーデンのその時の感情であり、今度僕らがパリに戻った時も、同じような感情であって欲しい」。

U2は、11月28日にダブリンで、Innocence + Experienceツアーの、第2レグを終了させる予定だったが、恐らくその後にパリでのライブが行われるのではないかと今言われている。
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