映画『Mommy/マミー』監督、オアシスの”ワンダーウォール”を最高のシーンでほぼフルで使った理由を語る

映画『Mommy/マミー』監督、オアシスの”ワンダーウォール”を最高のシーンでほぼフルで使った理由を語る

4月25日に、日本でも公開されるグザヴィエ・ドラン監督の傑作『Mommy/マミー』。
http://mommy-xdolan.jp/

映画の中で、オアシスの”ワンダーウォール”が最高の瞬間に、しかもほぼフルで流れるので、音楽ファンなら尚更感動するはず。

私はこの映画を去年のトロント映画祭で観たんだけど、その時に監督が観客からの質問に答えた内容に関心した。

観客は、映画のサントラについて質問をして、曲がほぼフルで流れるのはどうしてかと訊いたのだ。

それで監督はオアシスの”ワンダーウォール”が流れるシーンを例に説明して、「そもそも、オアシスの”ワンダーウォール”はめちゃくちゃ良い曲なわけだから、思い出がない人っていないと思ったんだよね。それが、初恋の人とキスした瞬間でも、自分の部屋でベッドでひとりでヘッドフォンして爆音で聴いていた、でもいんだけどね。この曲は、人の心に深く何かしらの思い出を残す曲だ。少なくとも僕にとってはそういう曲だった。それで、僕にとって、音楽が流れる瞬間というのは、映画の中で唯一、観客が映画に自ら参加できる瞬間なんだ。

映画というのは基本的には、僕が描きたいことが発信されているわけで、観客は受動的だ。だけど、音楽が流れた時だけは、観客がその曲を聴いた時に蘇る思い出とそのシーンを重ねて、能動的な体験をすることができるんだ。だから、僕にとって音楽は大事だし、特別なんだ」ということ。

なんと素敵な解答。監督は現在26才なんだけど、すでに長編をもう5本も完成させているという才能で恐ろしい。

映画の中では、その他にも、セリーヌ・ディオン、ベックなどが起用されている。
中村明美の「ニューヨーク通信」の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする