Jack Whiteが「世界最速」で発売のアナログ記録樹立の瞬間を観て来た!

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ジャック・ホワイトが今年のレコード・ストア・デイに、「世界最速」レコードを発売したが、なんと幸運なことにその瞬間をナッシュビルで目撃。そして、7”アナログ盤を並んで無事買って来た!

結論としては、やはりジャック・ホワイトかっこ良すぎるだろう、ということ。

レコードを買って手にするという非常にフィジカルな体験の素晴らしさを、徹底的にフィジカルなイベントにすることで、実感してもらおうという試みであるからだ。アナログ盤のどこが素晴らしいかぐだぐだ語ってる時間はない。実際ファンを家から出して、コンピューターの前から離れさせて、サードマン・レコーズの前に並び、手に取ってもらうにはどうしたらいいのか?を全力で考え、それを刺激的でかつ思いきり楽しいイベントにし、我々の心に残る特別な瞬間にしようとしている。しかも、最終的には、その興奮というのは、ジャックがかき鳴らす音楽の興奮と同じであるということが本当に意味のある部分だと思う。

大成功のサードマン・レコーズを背負って立つ男、ジャック社長の飽くなき挑戦には本当にいつも感動しっぱなし。

この日は、朝10時からジャックが彼の持つサードマン・レコーズのライブスペースでライブを決行。今回の7”に収録された最新作『Lazaretto』からファースト・シングルとなる”Lazaretto”と、B面用にエルヴィス・プレスリーのカバー、”Power of My Love”を演奏した他、なんと結局12曲、1時間ほどのライブを行ったのだ。

それで、ステージの裏には、ミックスの卓と、マスターを作る機械があり、歌い終わるとすぐに作業開始。ライブ会場ではマスターを作っているところがスクリーンに映し出されて我々も見られる様になっているというものすごい’ライブ’感なのだ!しかも、このマスターを作る機械というのは、1953年製でシンシナティのレコード工場から買ったもの。ジェームス・ブラウンなどのマスターががしがし作っていた機械なのだ。それでミックス卓は……と説明しだしたらきりがないのだけど、すべて拘りの一品。

完成したら「たった今マスターが工場へ向かいました」とのアナウンスまであるという、スポーツ中継なみ。

レコードを完成させてサードマン・レコーズに並ぶファンの前にジャック自らがレコードを持って帰って来たのは、3時間55分21秒後で、正に「世界最速」でした!

しかし、その後に行われた記者会見で判明したのは、ジャックはその前の記録を誰が持っていたのかも知らないこと。というか、これまでそんなことを「最速」で行うとした人がいなかったのだと思う(笑)。

サードマンの前には、昨日から徹夜で並ぶファンもいたくらい。当初から、この日並ぶ人全員が買えるようにレコードを作りますといって言っていたものの、長蛇の列で、私がようやく買えたのは、発売から3時間後くらいだった。サードマンでは待っている人達のために、サードマンの裏庭部分を解放して、バーガーを売ったり、アイスクリームを売ったりして、待っているのも、ブロック・パーティ的な牧歌的で楽しいイベントだった。

このライブでは、”Lazaretto”の他新曲が計5曲披露された。サウンド的により幅広く、深くなっている印象があり、とりわけライブの締めくくりに演奏された”Would You Fight For My Love”(俺の愛をかけて戦ってくれるか?)のエモーション炸裂の曲があまりに心を直撃。来ていたファンの新作への期待を大いに盛り上げたはずだ。とりあえず朝10時だったことを一瞬で忘れる濃厚な内容だった。

ライブ会場のキャパはたった200人程。ファンが言っていたのは、今朝ebayなどでは800ドルくらいで売られていたそうだ。そりゃジャックの演奏を200人キャパで聴けたらと想像してみてください。ファンも感電の勢いですから。

ちなみに、ジャックが記者会見で言っていてちょっと意外だったのは、ジャック自身子供の頃熱心なレコード・コレクターだったわけではなくて、ものすごい枚数のアルバムを所有していたわけでもなかったそうだ。

この日のセットリストは以下の通り。
1. High Ball Stepper(新曲)
2. Lazaretto(新曲)
3. Power of My Love (Elvis Presley cover)
4. Dead Leave and the Dirty Ground(White Stripes)
5. Freedom at 21
6. Three Women (新曲)
7. Weep Themselves to Sleep
8. Love Interruption
9. I Cut LIke a Buffalo (Dead Weather)
10. One Drink (新曲)
11. Hotel Yorba (White Stripes)
12. Would You Fight For Love (新曲)

ジャックの新作については今後ももっとお伝えできることがあるので、引き続き要注目で!とりあえず素晴らしいイベントをありがとう、ジャック社長!
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