The Nationalを観た!(半分だけですが)

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このサイトでも紹介した、The Nationalのシークレット・ミニ・ライブが先ほど終了。来日したマットとアーロンによる、アコーステイック・ライブは、中目黒の某所にて、たった30名ほどの観客を前に行われたのだけど、事前に聞いていた開演時間ぎりぎりに会場に着いたにもかかわらず、というか、会場は、中目黒の中心からちょっとはずれたところにあるカフェ(?)で、駆け込んだ場内はなんだかまったり。というのも、マットもアーロンもドリンクを片手に観客の間をうろうろしているような状態で、この貴重すぎてよくわけがわからない状況をさらにわからなくさせていたのだ。なにしろ、NY特派員中村ブログにあるように、地元ニューヨークでは8000人キャパのラジオ・シティを数分でソールド・アウトにしてしまう「ブルックリン・シーンの中心」The Nationalのフロントマンとギタリストが初来日のパフォーマンスをこんな感じでこんな風に始めてしまおうとしているのだから、まったく事態が飲み込めないのである。

しばらくいると、スタッフらしき人が「そろそろ始める?」みたいな目配せをマットとアーロンに送り、じゃあ、といった感じでマイクのあるほうに二人が歩み寄り、ああ、始まりそうなんだと観客もそろそろと動き始める。つかみどころのない空気に流されていたら、気づけば二人の目の前、最前のど真ん中、The Nationalとの距離はせいぜい70センチほどの距離で観ることになってしまった。あわわわわわわ。

「こんな感じでやるの、初めてだよ」とアーロンがマイクを通さない声で言ってるのも、きちんと丸聞こえ。アコギを爪弾きだして始まったのは、ニュー・アルバム『HIGH VIOLET』から「Anyone's Ghost」。うっひゃーーーーーー。ち、近い。アンプを通さないマットの生声も聞こえてきて、つまりはあの2000年代最高のヴェルヴェット・ボイスの地声がもうリアルすぎて悶絶しそうになる。息をするのもはばかれるような状態で、次にやってくれたのは新作の1曲目を飾るThe National節全開の「Terrible Love」。うわわわわ。「次の曲はニュー・アルバムの最後に収められている曲で、許しについての歌なんだ」とマットがMCしての3曲目は「Vanderlyle Crybaby Geeks」。おいおい。途中、アーロンがコーラスの入りを間違えたりする瞬間もあった新曲3曲だったけど、それもまた今夜のスペシャルな雰囲気に合っていて、いい感じ。それよりもなによりも、こうした形ゆえにあらわになった曲そのものの骨格は、このバンドがまさしく曲そのものの熱量で現在の大いなる支持を獲得していったプロセスを雄弁に物語る迫力だった。

最後は、前作『BOXER』のトップを飾った、彼らの代表曲「Fake Empire」のサービスまで! 曲が終わると、この曲のキーである、ここでは鳴らすことのできなかったホーンの部分をマットが歌ってみせて、場内(といっても30人くらいだけど)を笑いに包み込んで終了。思わず、ギターを置いたアーロンに「素晴らしかったー」と握手を求めた。

とはいえ、いまだにこの体験はなに?な状態ですが。

彼らの新作『HIGH VIOLET』はいよいよ5月にリリース。
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