2009年超私的ベスト・アルバム、下半期編、第5位はAtlas Soundの『Logos』。

DeerhunterのBradford Coxによるソロ・プロジェクト、そのセカンドにあたる本作。Animal CollectiveからPanda BearことNoah Lennox、SteleolabからLaetitia Sadierをゲストに迎えてはいるものの、当たり前だけど、立ち上ってくるのは、Bradford Coxというアーティストの存在性である。それはどういうことかといえば、哀しいということだ。

このアルバムに流れているどんな小さな一音すらもが、その音を鳴らした当事者がどのように世界を見、どう対峙し、耐え、サバイブしているかを伝えている。では、その当事者はどんな存在かといえば、このジャケットに何も包み隠さず晒したような姿としてあるのだ。だから、このアルバムに流れている音は、もう……とてつもない。
軽やかな（しかし、シビアな）ラブ・ソングから、静かに呻いているとしか聴こえないエレクトロニカまで、それは、2009年を生きる単独者のドキュメントとしてある。