モリッシー@グラストンベリー


日本の皆さん、週末はいかがでしたか?

〆切が終わったばかりの筆者の今週末は、
昼間は来週取材する予定の某バンドのアルバムを聴きながら質問作り。
夜はBBC1、2、3、4の各4チャンネルに分けて放映されるグラストンベリー・ライヴ映像と、
ウィンブルドン・テニス試合を時間差攻撃でシンクロさせながら観て過ごす3日間でした。

★そんな中、今年のグラストンベリーで個人的に最も感動したのが6月24日(金)に、
各ステージのヘッドライナー達と共に、ほぼ「フル・セット」でオンエアされたモリッシーのライヴ映像。

☆当日のセット・リスト。

Morrissey Live, @Galstonbury Festival 2011

1, I Want The One I Can't Have
2, First Of The Gang To Die
3, You Have Killed Me
4, Shoplifters Of The World Unite
5, Everyday Is Like Sunday
6, There Is The Light That Never Goes Out
7, Alma Matters
8, People Are The Same Everywhere(ソロ新曲)
9, Satellite of Love(ルー・リードのカバー)
10, Meat Is Murder
11, One Day My Goodbye Will Be Farewell
12, Action Is My Middle Name(ソロ新曲)
13, I'm Throwing My Arms Around Paris
14, Irish Blood, English Heart
15, This Charming Man

なんとザ・スミスの曲を5曲も!!!!!!!!!!


当日はピラミッド・ステージのヘッドライナー=U2の前のスロットという、
ファン層が全く違う2アクトの出演順だったせいで、
この日のモリッシーはU2目当てが多い客層の前でパフォームすることに。

無論それに負けないくらい多くの「ダイハード・モリッシー・ファン」も詰め掛けていたのですが、、、。

そんな空気を敏感に察したのか、
この日はモリッシーの毒舌MCもかつてないほどシャープ。

(1)まず最初の数曲を歌い終わった途端、
「できるだけ早く歌うようにするからもう少し我慢してね、君たちがみんなU2を待ってるのは僕もよく判ってるから」と宣戦布告。

モリッシーがU2の名前を口に出した途端あちこちから上がった「Boo!!!」の声に応え、

「僕にも君たちにもそれは分ってることだよね」と、続けて容赦ないトドメの一発。

例の「U2が事業拠点の一部を2006年にオランダへ移した事で、
現在経済的な窮地に立っている母国アイルランドでの税金忌避をしている」との批判を唱えるために、
今年のグラストンベリーでもそれに対する団体のデモが計画されていた」ことへの皮肉だと思われる。


(2)更に、新曲を演るときは、
「次は新曲なんだけど、僕の新曲なんかガマンできるかな?多分できないよね」
と突っ込んでから歌い始める。

(3)ライヴの中盤では、
「さっさと終われ!と思われてるこんな場で申し訳ないんだけど」
と言わんばかりの口調で、
「ここで僕のバンドのメンバー達をを紹介していい?」と更に突っ込んだナイフにねじリを入れる。

(4)ヴェジタリアン・アンセム=”ミート・イズ・マーダー”を歌うときは、
「みんなも知ってると思うけど、最近やっとサーカス用の動物を虐待することを阻止する法案が英議会で通ったばかりなんだ(大きな客の歓声が上がる)。

あのデヴィッド・キャメロン(現英首相)は、またそれを止めようとしたみたいだけどね。
ほんっとあいつはバカな小者だよ」

またしてもここで「昔から熱烈なスミス信者」を公言する現英首相を嘲笑&激しくバッシング。

という感じで、
普段我々が文句を言いたくても言えないような「微妙な標的」を大勢の前で堂々と晒し、
胸がすくようなダイレクトさと鋭いウィットで
ズタズタに切り刻んでくれるモリッシーの北部偏屈男ぶりは今も健在♪

こんな偏屈男が歌ってくれる”There Is A Light~”の
「このまま二階建てバスと衝突して、君と一緒に死ねたらいいのに」の優しげなフレーズ、

TV画面で観ているだけなのに涙が滝みたいに溢れそうだった、、、。
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