4年半ぶりの新アルバム『魔力』が来月リリースとのことで、またぞろ賑やかになってきた陽水さん界隈。
この方の偉大さは、すでに説明の必要など無いかに思われますが、
チャート・チェックを日々の生業としている者として、
実にとんでもない、気が遠くなるような大記録を発見してたりするので、そんな話。
3枚目のオリジナル・アルバム『氷の世界』(写真 73年12月発表)。
オーケンもタイトル曲をカバーしていることで有名な、この作品が、
「日本初のミリオンセラー・アルバム」であることは周知の事実。
ですが、もうちょっと紐解いていくと、さらに面白い話が出てくる。
73年12月にリリースされ、74年を通じて売れまくり、
1位から一旦下降を始めても、いきなりまた戻った、という動きをなんと5回もマーク。
当然のように年間チャートは首位を獲得。
それだけでなく、翌年、75年に入ってもその勢いは止まらず、
ほぼ1年通じてずっとTOP10に残り続け、結果的に、この年も年間チャートで首位。
つまり、2年連続で年間1位、という、SF的な偉業を達成している作品なのです。
楽曲の素晴らしさは当然として、
当時としては異例のロンドン・レコーディングが行われた作品でもあり(メンバーも現地人)、
それまでの日本には無かった“本場の空気感”が持ち込まれた最初のアルバム、
という意義も大きかったのではないか、と
自分が大人になった、今になって思います。