坂本真綾@オーチャードホールに行ってきた

坂本真綾@オーチャードホールに行ってきた

昨日は坂本真綾@Bunkamura オーチャードホールへ。

今回のツアーは、彼女が初めて全曲作詞作曲を手掛けたアルバム『シンガーソングライター』を受けてのもの。
だから当然、このアルバムからの楽曲が中心になるわけだが、このアルバムに何が込められていたのかがよくわかる、これぞ豊かな音楽、これぞポップスという矜持を見せつけられるような、本当に素晴らしいコンサートだった。

坂本真綾という人は最高のシンガーだが、同時に押しも押されもせぬ人気声優であり、菊田一夫演劇賞に輝く舞台女優でもあり、エッセイも抜群にうまい文筆家でもあり、経験豊富な作詞家でもあり、まだまだ歩を踏み出したばかりの才気溢れる作曲家でもある。
今回のコンサートが特別に素晴らしかったのは、そのすべての経験とパーソナリティが最大限に発揮されていたからだ。
逆に言えば、「作曲」という新たなチャレンジと、それをライヴで歌う、というまた新たなチャレンジはそれだけの何かを坂本に要求した、ということだろう。
結果、彼女は見事にそのハードルを越えていた。越えていたどころか、これまでの最高の跳躍力で高く高く飛躍しているように見えた。
何より楽しそうで、バンドメンバーとのやり取りのひとつひとつをしっかりと聴き、そして覚えておこうとしているような、そんな繊細な集中力も限界まで研ぎ澄ませているように見えた。
凛とキレイで、ものすごく頼もしかった。はっきりと感動的だった。

奇しくも17年前のデビュー記念日にあたるこの日をもって、彼女のシンガーとしてのキャリアは18年目に突入したことになる。
豊かな経験を積めば積むほどに歌声と姿勢が澄み渡っていく。そして、その音楽は洗練されると同時に瑞々しくなっていく。
実に坂本真綾らしい、そんな不思議なメカニズムでどこまでも進んでくれそうだ。

今日もライヴがあります。チケットをお持ちの方がうらやましいです。何回でも観たい。(小柳)
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