安室奈美恵ニューアルバム

安室奈美恵ニューアルバム

12月16日に発売される安室奈美恵のニューアルバムを聴いて驚いた。セルフ・プロデュースをするようになって以降、あらゆるジャンルのミュージシャンから注目を集めるような高い次元の音楽性に挑戦し、なおかつそれを自らが背負うべき国民的な歌手としてのスケールで成立させてきた彼女。ベストアルバムは170万枚を売上げツアーは50万人を動員。2008年までで彼女の挑戦は日本の音楽シーンにおいて大きな成果を残したと言ってもいいだろう。しかし、今の彼女にはそんなここ数年さえ一気に塗りかえてしまうような新しいギアが入っている。

セクシャルで肉体的で知的、そして大衆的、でも実はアルバムラストまで聴くと高次元の愛がサブリミナル効果のように心の中にインプットされしまう。マドンナやビヨンセといったごく限られた女性アーティストだけがこれら全てを兼ね備えた表現を可能にしてきた。日本の女性アーティストでまだこれができた人はいないし、安室もこれまでの作品ではその域には達していなかった。しかし、このアルバムは少なくともその入り口に立っている。アルバムタイトルは彼女の過去と未来だけでなく、音楽の過去と未来、そしてもっと大きな意味での過去と未来のことを言っているのだろう。

もちろんインタビューのオファーはしているが現時点では条件が折り合わず実現していない。しかし、いつか表現者・安室奈美恵を衝き動かしているものが何であるのかに迫ってみたい。(古河)
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