amazarashiの360°ライブ「虚無病」を観た

amazarashiの360°ライブ「虚無病」を観た
amazarashiの360°ライブ「虚無病」。
幕張メッセイベントホールのセンターにステージが設けられ、それを立方体が囲み、透過性LEDにより映像が映し出される。
リリースされたばかりのミニアルバム『虚無病』に封入される小説「虚無病」が、秋田ひろむの朗読により、セットリストに章ごとに挟み込まれるという、非常にコンセプチュアルで物語性のある構成だった。

今この世界では何が起きているのか? 生きるとはどういうことか?
ということが、立体的に多角的に提示され、一瞬の隙もない膨大な情報量の2時間半だった。

秋田ひろむはJAPAN11月号のインタビューで、
「新しい感覚がわいてきて、だからこそ集大成のような作品を作りたかった。今までamazarashiがやってきたことに名前をつける必要があった」
というようなことを『虚無病』について話していたが、
まさにamazarashiのメッセージの集積が、物語の起承転結に寄り添ってパワフルに放たれる、集大成のようなライブだった。

エンドロールが流れた後、
「ありがとうございました! 幕張メッセ。最後の曲です。“スターライト”!」と秋田が感情を滾らせながら叫び、
アグレッシブなバンドアンサンブルに乗せて、《僕らはここに居ちゃ駄目だ》と外に駆け出す意志を提示する“スターライト”が奏でられた時、言い知れぬ感動が場内を貫いた。
『虚無病』のミニアルバムとライブをもって、amazarashiのひとつの大きな季節が終わった、そんな感覚が余韻として強く残っている。(小松)
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