ソカバン×ハンバートハンバート 2009.10.21 22:09 今夜は渋谷クラブクアトロ、曽我部恵一BANDレコ発「ROCK SONGS」でした。
ゲストはハンバートハンバート。

ハンバートハンバート、すばらしかった。
去年だっけ、一昨年だっけ、くるりの京都音博で観た時も思ったけど、
2人とも、もう卑怯なまでに、声がいい。
曲もいいんだけど、それ以前に、声からなんかやばいもんが出ている。

で、ソカバン、タイトル通り、歌もの中心のセットリスト。
もう2年くらい、パンクでガレージ・バンドみたいなソカバンを
見慣れていたので、やたら新鮮でした。
しかしほんと、いい曲いっぱい持ってるなあ。
というのと、このいい曲たち、どれもしばらくやってなかったんだなあ、というのの、両方を思った。

今回はこのテーマだったから、ってだけじゃなくて、モード・チェンジの
時期なのかも、とかも思いました。

アンコールは2バンドで吉田拓郎「結婚しようよ」のセッションでした。
ちょっとだけ意外。

写真は、終演直後の曽我部さん。

アンヴィル! その4 2009.10.21 18:11 さらに前回の続きです。

この『アンヴィル!』、『〜夢を諦めきれない男たち〜』という副題が付いているように、
30年間バンドという夢を諦めていない人たちが主人公なわけですが、ただし。
確かに「夢を諦めていない」とも言えるが、その言い方だけだときれいすぎる、とも思う。

僕も、これまで、売れなくても、食えなくても、ずっと音楽をやり続けている人を、
プロもアマも含めて何人も見てきた。
それは「夢を諦めていないから」とも言えるけど、同時に、

やめる勇気がない
やめどきを逃した
もうやり直しがきかない
あるいは、やり直しきくけど、それは大変そうでめんどくさい
生活を変えるのが怖い
惰性

というようなことでもあったりする。
下手をすると、「あきらめていない」けど、
「でも大して必死にやってるわけでもない」なんて場合まである。

つまりですね。
「でもバンドを(あるいは音楽を)続けている」というのが、
免罪符になっているところも、あるわけです。
たとえ売れなくても、「まかり間違えばなんとかなるんじゃないか」みたいな、
根拠のない、可能性もないに等しい、ほとんど自己催眠みたいな、うすっぺらい希望。
希望というか、言い訳だな。自分に対する。
要は、バンドをやっているということが、心の安心材料であり、
心の居場所であるわけです(身体もか)。

だからやめられない。
やめてしまうと、この先に何の希望もない、本当にろくでもない人生になってしまうので。
「今はろくでもないけどこの先何かあるかもしれない人生」じゃなくなってしまうので。
でも、そういう理由で続けることによって、もっとろくでもない
人生になっていったりするんだけど、頑なでバカだから、
「それでもいい、俺はやりたいことをやっているんだから」
とか言ったりするんだ、また。
で、自分がひどいことになるだけならまだいいけど、挙句、周囲にまで迷惑かけたりするのね。

そういうところまで、ちゃんとリアルに描くことに成功しているから、
「夢を諦めない中年バンドマンたちの素敵なお話」なんてきれいごとじゃないから、
この映画は本当にすばらしいし、本当に感動的なのです。

と、音楽誌編集&ライター生活18年の中で、最も深く濃く付き合ってきたのが、

「20年やって売れていない、一発屋ですらない、でも続けているバンド」

であり、こないだの土曜に、そいつらの20周年ライブに行ってきた私は、
思うのでした。

昨日の試写、上映直前に、TOKIOの長瀬智也の推薦コメント映像が流れた。
とても感動しておられた長瀬くんだったが、彼の100倍リアルに、
この映画を理解することができると 思うので、その20年売れてない
日本のバンドの4名は、必ず観に行くように、この映画。


今週土曜、10月24日(土)より、TOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて公開。

アンヴィル!その3 2009.10.21 15:42 前回の続きです。


『アンヴィル!』、そういう、前回書いたような映画なので、
「メタル? 嫌い」という方も、大丈夫です。
私も、中高生の頃はメタル好きだったけど、今は聴かない。
アンヴィルも、当時知ってたから「懐かしー」って興味持ったけど、
正直、特にファンではないし、思い入れもない。
この映画、アンヴィルの来日ライブのシーンが2回出てくる。
1984年のフェス出演時のものと、2006年の第1回LOUD PARK。
前者は憶えてたけど、後者は、すみません、こんな仕事してるのに、
来たことすら知りませんでした。
DIOが来たのは憶えてるけど。
そんな薄情な奴であるにもかかわらず、観て大感動した。

というか、この映画の監督も、そういう人なのだ。
15歳くらいの頃、アンヴィルの大ファンで、ローディになってツアーに同行したりして、
かわいがってもらったんだけど、その後音楽の趣味がメタルから他に移り、
離れてしまったと。

でも、それから20年経って、映画関係の仕事をするようになり(脚本家です)、
そうだアンヴィルってどうしてるんだろう、と連絡をとったところから、この映画を
作ることにつながったそうです。

で、この映画を作ったことによって、正に今、アンヴィルに注目が集まっている。
という意味でも、とてもいい話でもあります。

昨日の試写会は、最初に監督のトーク、次に映画、それが終わると
アンヴィルが登場して1曲プレイ、という構成だった。
ZEPPが感動の嵐に包まれて映画が終了し、スクリーンが上がって
アンヴィルが登場すると、1Fのオーディエンスはイスを蹴散らして前へ
詰めかける。

Cut編集部ブログで内田も書いているが、曲が終わり、
監督&アンヴィル&司会者のトークコーナーになっても、客はアンコールを求め、
司会者は困り、アンヴィルは顔を見合わたりソデを見たりして
「どうする? やる?」みたいな感じになり、しまいには司会者もキレたのか
楽しくなったのか、客をさらにあおったりして、急遽1曲追加になった。
アンヴィルも、監督も、ほんとにうれしそうだったのが、とても印象的でした。

これで終わると、ちょっと話がきれいすぎるな。
なので次回に続く。

アンヴィル!その2 2009.10.21 13:01 昨日の続き。
映画『アンヴィル! 〜夢を諦めきれない男たち〜』を観た、という話です。

1980年代前半、イギリスで火がついて、ちょっと脚光を浴びて、来日とかも
していたものの、すぐ下火になってしまい、それでも30年以上にわたり
活動を続けているカナダのへヴィ・メタル・バンド、アンヴィルのドキュメンタリー映画。


生活のため普段は働いている。

ヨーロッパ・ツアーに行くが、客はいないわ、列車には乗り遅れるわ、ギャラはくんないわ、
と、行く先々でさんざんな目に遭う。

レコーディングしたいが制作費がない。

なんとかレコーディングに突入するも、メンバー同士で大ゲンカ。

アルバムは完成するも、どこもリリースしてくれない。


などなど、売れないバンドの悲喜こもごも、というか、ほぼ
「悲」なバンドライフを追ったドキュメンタリー映画です。
でも、その「悲」っぷりが笑える、という意味では「喜」もある。

だから、ホールにしかライブを観に行かない、ライブハウス行ったことがない、
というような人は、観てもあんまりぴんとこないかもしれません。
ただし、


1.好きなバンドが売れなくて、それでも応援したことがある人

2.身近に売れないバンドがいる人

3.売れないバンドの人


のどれかに該当する方は、観たほうがよいと思います。
ドームやアリーナクラスのバンドよりも、ライブハウス・クラスとの付き合いの方が
圧倒的に多い、1と2に該当しすぎるほどしてしまっている私は、
もう、後半、ダメでした。感情移入しすぎて。
次回に続く。


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