お経とジャズのCD

お経とジャズのCD

今週は、私的には、「SIGHTの校了週」であり、そして、
「京都音博が終わってその余韻をひきずっている週」でした。
「でした」って、まだ終わってないけど。
で、普段から、いろんな新譜の音源が送られてくるのですが、
そんな今週に、ある意味、最もタイムリーだったのがこれ。


山下洋輔(p)/日野皓正/安達久美(g)/岡本博文(g)
『慈愛LOVE』
XQCJ-1005 ラグインターナショナルミュージック/バウンディ
10月6日リリース ¥2,500(税込)


名うてのジャズ・ミュージシャンたちが名を連ねています。
特に、前のおふたりは、誰でも知っている方たち。
殊に山下洋輔さんは、今年5月16日、「JAPAN JAM」におけるZAZEN BOYSとの、すっさまじいセッションが記憶に新しいですね。
(ライブレポはこちら →http://ro69.jp/quick/japanjam2010/detail/34843

で。このCD、この方々が、お経とセッションしている作品なのです。
聴いてみたら、確かにお経だけど、お経っていうか、これ、聲明じゃん。
そうです。京都音博で、「京都魚山聲明研究会」がパフォーマンスしていた、あれなのです。
(その時の模様 → http://ro69.jp/live/detail/40586 
これも → http://ro69.jp/blog/hyogo/40559

いや、あの方々とは別のお坊さんたちだけど、でもやはり、複数の僧侶による、
その大半は素人には言葉がヒアリングできない類のお経で、
倍音のごとき声が伸びていく、ホーミーみたいな歌みたいな感じで、
かつ、合間合間で金モノが「シャーン!」って鳴ったりする、あのスタイルです。

で、このCDは、お坊さん5人による聲明及び金モノ及び法螺貝などに、上記の
4人のミュージシャンのうちの誰かが、即興で演奏をつけたものが、11曲入っている。
山下洋輔3曲、日野皓正3曲、安達久美2曲、岡本博文2曲。
聲明に合わせて、合わせてでもないのかな、とにかく聲明と同時に
トランペットが鳴ったり、ピアノががんがん響いたり、ギターが単音で「ィイーン~~」と
つま弾かれたりするさまは、かなり異様でおもしろい……と言いたいところだけど、
逆で、聴くと意外なほどに「異様じゃない」「すんなりはまってる」
仕上がりになっていて、そこがおもしろいです。
中には、トランペットと法螺貝がバトルしている曲まであったりする。


おまけ。
さっき「11曲入っている」って書いたけど、その次の行の曲数を全部足しても、
11曲しかありませんね。
あと1曲は、オープニングの「序」という曲です。
クレジットは「森の音+マーティー・ブレイシー(ガンクドラム)」となっています。
森で録った音に、なんか、「やわらかい鉄琴」みたいな音がかぶさっているので、
それがガンクドラムという楽器なんだな。と思って、検索してみたんだけど、
「こんな楽器があったのかあ」って、ちょっと驚きでした。知らなかった。
Youtubeに映像あります。

あと、私、この「マーティー・ブレイシー」という名前を見て、
「あ、もんた&ブラザーズのドラムだ、あの黒人の人だ」ってパッとわかったのですが、
それは、子供の頃、ドラムメーカーのカタログの「モニター・アーティスト一覧」に
載っていた彼の写真を、よく見ていたから記憶に残っていたんだと思います。

あれ、どこのメーカーだっけ。確か、TAMAでもYAMAHAでもなくて、Pearlだったと思うんだけど。
と、各ドラムメーカーのサイトを片っ端から検索している、
そしてそれが徒労に終わっている私は、祝日の朝からいったい何をやっているんだろう、と思います。


『慈愛LOVE』のレーベルのサイトはこちら。
http://www.ragnet.co.jp/ragmania_jiai_love.html
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