MOROHAを観ました

MOROHAを観ました

前回に続き、もうひとつ新人アーティストの話です。

MOROHAというヒップホップ・ユニットが、曽我部恵一のROSE RECORDSから
1stアルバム『MOROHA』を、リリースする。10月21日。

8月の夜、曽我部さんと飲んで都内をウロウロしました、ということを
このブログに書きましたが(これ → http://ro69.jp/blog/hyogo/39563
この時、実は、この人たちのライブを観に行ったのでした。

突然、曽我部さんから「飲みません?」って電話がかかってきた。
珍しい。最後にふたりで飲んだのなんて、たぶん、5年くらい前だろう。
でも、じゃあ、「まあ行きますか」「この日どう?」「21時くらいになるけどいい?」
とかやりとりしていたら、
「あ、その日、中目黒でライブ観るんですけど、一緒に行きません?」
っていうことになったのでした。

で、中目黒の駅前で待ち合わせて、そのすぐそばにあるクラブに行った。
クラブっていっても、ほとんどバーみたいな小バコ。DJブースはあるけどステージはない。
で、ROSEから出る、っていうことを、知らずに観た。

びっくりした。おもしろくて。
DJはいない。音を出しているのは、床にアグラをかいてアコースティック・ギターを弾く人、1名。
で、マイクを持っているのが1名、の、計2名。

で。つまびかれるアコギに合わせてくり出されるラップが、すんごい独自。
いわゆる、日本語でヒップホップをやる時のマナーあるでしょ、
あれに全然沿っていない、語りのような、朗読のような、
でもBOSS THE MCともBIKKEとも違う、かといって「NEW AGE」を歌う時の
佐野元春や、ポエトリー・リーディングをする時の仲井戸麗市や、
ギター一本で歌う時のSIONとも異なる、なんとも形容しがたいラップ。
高い声でビット数の多い言葉を、次々と吐き出す。

で。さらにおもしろいのが、リリック。
1曲目。音楽で何かをなしてやる、そのために東京に出てきたんだ、みたいな曲。
2曲目。CDショップのことを「アーティストの生き残りをかけた戦場」として歌った曲。
3曲目。YouTubeで自分たちのライブを観ている人に「ライブの現場に来い!」と呼びかける曲。
4曲目。彼女や、じいちゃんや、ばあちゃんや、
姉ちゃんや、父ちゃんや、母ちゃんに対する愛を綴った曲。

と、まあ、ヒップホップの題材としては、どれも「いかにも」だ。
って、2曲目と3曲目はそうでもないか。題材もちょっと独自か。
だけど、1曲目と4曲目は、まあ、もう、見るからに「いかにも」でしょ。

しかしですね。全っ然違うのだ。切り口が。
それをこの人たちがやると、こんなに思いもよらないものになる、という斬新さがある。
特に4曲目。日本語ラップとしては、正直、「もういいよ」っていうくらい
ありきたりなネタだけど、「うっわあ、こんなやりかたがあったのかあ」
「こういうふうに切れるのかあ」と、びっくりしました。

クセが強いので好き嫌いは分かれるかもしれないが、
一度聴いてみる価値はあると思います。

マイスペースはこちら。http://www.myspace.com/moroha
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