MOROHAを観ました
2010.09.16 01:30
前回に続き、もうひとつ新人アーティストの話です。
MOROHAというヒップホップ・ユニットが、曽我部恵一のROSE RECORDSから
1stアルバム『MOROHA』を、リリースする。10月21日。
8月の夜、曽我部さんと飲んで都内をウロウロしました、ということを
このブログに書きましたが(これ → http://ro69.jp/blog/hyogo/39563 )
この時、実は、この人たちのライブを観に行ったのでした。
突然、曽我部さんから「飲みません?」って電話がかかってきた。
珍しい。最後にふたりで飲んだのなんて、たぶん、5年くらい前だろう。
でも、じゃあ、「まあ行きますか」「この日どう?」「21時くらいになるけどいい?」
とかやりとりしていたら、
「あ、その日、中目黒でライブ観るんですけど、一緒に行きません?」
っていうことになったのでした。
で、中目黒の駅前で待ち合わせて、そのすぐそばにあるクラブに行った。
クラブっていっても、ほとんどバーみたいな小バコ。DJブースはあるけどステージはない。
で、ROSEから出る、っていうことを、知らずに観た。
びっくりした。おもしろくて。
DJはいない。音を出しているのは、床にアグラをかいてアコースティック・ギターを弾く人、1名。
で、マイクを持っているのが1名、の、計2名。
で。つまびかれるアコギに合わせてくり出されるラップが、すんごい独自。
いわゆる、日本語でヒップホップをやる時のマナーあるでしょ、
あれに全然沿っていない、語りのような、朗読のような、
でもBOSS THE MCともBIKKEとも違う、かといって「NEW AGE」を歌う時の
佐野元春や、ポエトリー・リーディングをする時の仲井戸麗市や、
ギター一本で歌う時のSIONとも異なる、なんとも形容しがたいラップ。
高い声でビット数の多い言葉を、次々と吐き出す。
で。さらにおもしろいのが、リリック。
1曲目。音楽で何かをなしてやる、そのために東京に出てきたんだ、みたいな曲。
2曲目。CDショップのことを「アーティストの生き残りをかけた戦場」として歌った曲。
3曲目。YouTubeで自分たちのライブを観ている人に「ライブの現場に来い!」と呼びかける曲。
4曲目。彼女や、じいちゃんや、ばあちゃんや、
姉ちゃんや、父ちゃんや、母ちゃんに対する愛を綴った曲。
と、まあ、ヒップホップの題材としては、どれも「いかにも」だ。
って、2曲目と3曲目はそうでもないか。題材もちょっと独自か。
だけど、1曲目と4曲目は、まあ、もう、見るからに「いかにも」でしょ。
しかしですね。全っ然違うのだ。切り口が。
それをこの人たちがやると、こんなに思いもよらないものになる、という斬新さがある。
特に4曲目。日本語ラップとしては、正直、「もういいよ」っていうくらい
ありきたりなネタだけど、「うっわあ、こんなやりかたがあったのかあ」
「こういうふうに切れるのかあ」と、びっくりしました。
クセが強いので好き嫌いは分かれるかもしれないが、
一度聴いてみる価値はあると思います。
マイスペースはこちら。http://www.myspace.com/moroha