改めて『スター・ウォーズ』よ、永遠に

改めて『スター・ウォーズ』よ、永遠に

明日発売の嵐表紙のCUTに掲載している編集後記を1日早くアップします。
ゲットはお早めに!
―――
 ディズニーによるルーカス・フィルム買収によって、新たな『スター・ウォーズ』シリーズが作られることが明らかになると同時に、ジョージ・ルーカスが作り上げる『スター・ウォーズ』シリーズの最後の作品は2005年の『エピソード3/シスの復讐』になることが確定した。
『エピソード3』では、ヨーダがアナキンに以下のように忠告するシーンがある。
「未来を感じる時は用心が必要だ。喪失への恐れは暗黒面(ダークサイド)につながる。死は生きることの一部だ」
 ご存知のように、ヨーダの忠告もアナキンの運命を変えることはできずに、彼は暗黒面(ダークサイド)に落ちてしまい、ラストでダース・ベイダーになってしまうわけだが、僕は、このヨーダの忠告が『スター・ウォーズ』シリーズを通じてルーカスが最も語りたかったテーマだと思っている。
 アナキンが恐れているのは、予知夢で見た、妻・パドメの死が現実になることである。かつて母を失った経験が、彼の愛する者を失うことへの恐怖をより激しくしているのだが、ヨーダはその喪失への恐れが、執着となり、嫉妬となり、それがやがて人をダークサイドに堕とすと言っているのである。
 僕には、今回のルーカス・フィルムの買収が彼の意図に反して行われたものだとは思えない。もちろんルーカス・フィルムは、彼が人生のうちの41年を注ぎこんだ、最も大切だろう。しかし、彼はその会社を自分のものにし続けることに執着せずに、『スター・ウォーズ』シリーズが彼のいなくなったあとも続くことを望み、その売却で得た40億5000万ドルの大半も慈善事業に寄付する意向を明らかにしている。
 ルーカスは、ヨーダがアナキンに忠告した通りに、そして自らが『スター・ウォーズ』シリーズを通じて観客に語りかけたメッセージの通りに人生を全うしようとしている。とてもルーカスらしいと思う。あとは彼の意志を立派に継いだ新作が2015年に向けて作られるのを願うばかりだ。(古河)
CUT 編集部日記の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする