『大奥』を観ました。

『大奥』を観ました。

10月1日公開の映画『大奥』。『CUT』では二宮和也くん×阿部サダヲさんの対談を。『H』では、撮影現場に潜入して、役衣装での撮り下ろしポートレート&インタビューを掲載させていただいたのですが、どちらの取材も完成した映画を観る前のものだったのですよね。
今月のはじめにプレス用試写会で『大奥』を観たので、映画についてちゃんと書きたいんだけど、残念ながら雑誌には書けなかったので、ここにつらつらと思ったまんまを書いてもいいっすか? でもブログなので、原稿のクオリティとかは意識しないで書いていいっすか?

・まずは金子文紀監督に拍手!!
私は、原作を面白く読んでいるけど、すごく読み込んでいるマニアではないので、原作ファンがどのようにこの映画を観るのかはわからないけど、ちゃんとメジャーで、ちゃんとエンターテインメントで、ちゃんとわかりやすい、ちゃんと爽快感たっぷりで劇場を後にできる、誰が観ても楽しめる娯楽作に仕上がっているのがすごい。『木更津キャッツアイ』ヲタとしては金子さんのトリッキーな演出も大好きなんだけど、斬新な撮り方や作家性に偏らず、役者それぞれの芝居に焦点を当ててオーソドックスに撮っていて。でもだからこそ、ぐいぐい引き込まれる。

・役者が全員とてもかっこよく魅力的に撮られている。

・特に声の芝居が素晴らしい。思わず目を閉じて声だけ聞いていたくなる。撮影現場で、水野と自分しかいないような錯覚を起こすぐらいグーッと入ってくる声の芝居にびっくりした場面があったんだけど、そんな芝居が全編にあふれてるんだからタマらん。それは二宮くんだけでなく、柴咲さんも、堀北さんも、玉木さんも、阿部サダヲさんも、他の方々もみんなそう。声を張って昔の言葉で喋っているから、声の魅力が浮き彫りになったのかもなあ、と思う。

・水野は、二宮くんが演じた役の中で史上最強にかっこいい男の人かもしれない。剣の腕が強くて聡明で利発で優しくて綺麗でエロくて……なんて欠点なしの人物なので、「そんなヤツいねーよ」と突っ込みたいところだが、ちょんまげパワーと演技力で「ああ、昔はこんな人いたかもね」と納得してしまう。みんなが水野に魅了されてしまう説得力をちゃんと身にまとっている。

・柴咲コウさんの吉宗将軍もめちゃくちゃかっこいい。想像でもいいと思ったけど、想像をはるかに超えていい。信念と思いやりがあふれていて、たたずまいは凛としていて、おまけにあの目力。「吉宗がかっこいいことが一番大事」とは原作ファンが言っていた言葉だけど、とにかくほんとに魅力的。

・水野と吉宗がこのふたりで、ほんっとよかった。

・こんなふうにひとりずつ良かったところを挙げられるぐらい、役者の皆さんがとてもハマっていて、それぞれ素晴らしい芝居を見せていた。

・ストーリーはもちろん面白い。だって原作がめちゃくちゃ面白いもん。

ということで、映画『大奥』、劇場に観に行って損はないと思います。
何のこっちゃわからんと思いますが、写真は9月30日発売の『H』からです。ちゃんちゃん。(上田智子)
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