小沢健二、この19年

小沢健二、この19年
昨日リリースされたシングル『流動体について』を聴いて改めて思うのだけれど、小沢健二は、シングルをリリースしていなかったこの19年間、それ以前とは違う理想を見ながら、音楽活動を続けていたのだと思う。
その理想とは「あらゆる境界線のない世界」。
それを「境界線だらけの世界」のルール上で音楽にしていくことはできなかった。
だから小沢健二の音楽活動は「境界線だらけの世界」を生きている僕たちにとっては、わかりにくいものになった。
そんな風に僕は、この19年を解釈している。

でも長い年月をかけて、小沢健二がみている世界と僕たちのいる世界が、シンクロとまで言っていいのかはわからないけれど、同じ空気を感じられる窓を持てたということをこのシングルからは感じる。
小沢健二が帰ってきたとも言えるし、時代が実際に溶けてきた(進歩的な意味でも危機的な意味でも)とも言えるし、半々なのだと思う。
いずれにせよこれから再び「小沢健二がいる」時代が全く新しい意味で始まるのだと思う。(古河)
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