尾崎世界観『祐介』を読んで

尾崎世界観『祐介』を読んで
クリープハイプは、原液の「やるせなさ」を優れたメロディやバンドサウンドと混ぜ合わせて、清涼とは言えないのに多くの人の心を潤す音楽を生み出す。
しかし、この尾崎世界観の小説にあるのは、原液の「やるせなさ」そのもの。
「やるせなさ」が濃すぎて心のカサカサに渇いたところにベットリこびりつき、むせかえるほど強烈に生理にうったえかける。
でも、それは今のロックのフォーマットからどれだけ逸脱していってもこぼれ落ちてしまう感覚なのかもしれない。
尾崎は、それさえも逃さず吐き出したくて、この小説を書いたのではないだろうか。(古河)
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