嵐『Japonism』の美しさについて

嵐のアルバムは、いつも美しい。
なぜかというと、とても丁寧にコンセプトが練られていて、歌はもちろん、ひとつひとつ楽曲やアルバムの構成のなかに今、5人がポップ・ミュージックというものを通じて何を世の中に提供できるか、そしてそれをコンサートという形でどのようにダイナミックに描いていけるかまでを誠実に考え、クリエイターやスタッフたちとも深いコミュニケーションを重ねた結果が息づいているからだ。
そこには5人の個々のエゴイズムはほとんど介在していないように思えるのだが、それでも5人のパーソナルな思いと願いは肉体性を持って宿っている。
これは他のポップ・ミュージック作品では、なかなか味わえない独特の感覚だ。

そして本日発売のニューアルバム『Japonism』は、そんな彼らのディスコグラフィーのなかでも特に美しいアルバムだと言える。
2011年に東日本大震災という悲劇を経験し、2020年に東京オリンピックという晴れ舞台を控える日本という国を代表するアーティストとして、2015年という年に何をポップ・ミュージックとして伝え残し、そして未来に何を託すことができるのか。
嵐としての自分たちの使命にとことん向き合ったことが、この『Japonism』というアルバムを美しくしている。
国民的大ヒットが約束されているアルバムではあるが、その深い部分まで幅広く多くの人に伝わってほしい。(古河)
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