ゆずの15年前の横浜スタジアムを思い出しながら

ゆずの15年前の横浜スタジアムを思い出しながら
もちろん具体的なネタバレは書きませんが、思いがみっちりこもってしまっているので、明日来場する方でまっさらな気持ちで観たい人は明日のライブ後に読んでください。



有料ワンマンライブとしては2000年以来15年ぶりだということを改めて北川の口から聞いて、15年前に同じ場所で体感した空気が一気によみがえった。
当時、ゆずはセカンドアルバム『ゆずえん』がミリオンセラーとなり、まさに世間的な注目度のピークにいたわけだが、彼らはあの場で“嗚呼、青春の日々”という新曲を次のシングル曲として披露した。
曲調も、《自分なりに生きてゆくよ》《下手くそな唄いっしょに歌おうぜ》といった地を這いつくばりながらも前を見つめて進んでいくような飾り気のない言葉も、そのときの彼らの状況にはそぐわないもののように思えたが、それを歌う彼らの姿に、あの時、僕は確かに強く心を打たれた。
彼らを現在に至るまで取材し続けることになった、ひとつのきっかけとなった瞬間だったかもしれない。

彼らは、あのとき間違いなく地元の横浜スタジアムのステージに立ち、夢を叶えていた。
しかし、同時に彼らはもっと先の未来のことを考えていて、夢はまだまだ叶っていないという感覚も持っていたと思う。
そして今日のライブもやはり、彼らはデビューから18年経ってもこの大舞台にふたりで立てているという夢を叶えながらも、同時にまだまだ先に叶えるべき未来を見据えて地を這いつくばるようにして進んでいるように見えた。
だから、ゆずの歌は聴き手との強い信頼感と共にいつまでも終わらずに続いていく。

「聴き手との信頼感」と言えば、もうひとつ3万人のお客さんの前で弾き語りで演奏される彼らの曲を聴いて思ったこと。
路上からスタートした彼らだから当たり前のことでもあるのだが、古い曲も新しい曲も、原曲には音数多くアレンジが施されている曲さえも、「弾き語り」が別バージョンという感じが驚くほどまったくしなかった。
ゆずの歌は、きっとお客さんの声と、まさに二人三脚でできているからだろう。(古河)
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