アリアナ・グランデの愛はこんなにも強い。英テロ被害者支援ライブは4日開催

アリアナ・グランデの愛はこんなにも強い。英テロ被害者支援ライブは4日開催

「デンジャラス・ウーマン・ツアー」5月22日のマンチェスター公演がテロの脅威にさらされ、アリアナ・グランデは「言葉にならない」と痛ましいツイートを投稿。

それから1週間で6月4日の支援公演「ONE LOVE MANCHESTER」の開催スケジュールが発表され、一律40ポンドのチケットは6分で完売したという。

このスピード展開には心底驚かされた。被害者や遺族、現地市民と同じように、アリアナ自身が受けた苦痛は並々ならぬものがあるはずで、ツアーの中断、そして休養いう判断があっても無理はないと思われていたからだ。何より、今回の支援公演はアリアナ自身の発案だったという。
(→http://ro69.jp/news/detail/161350)

こちらのニュース記事に掲載された声明文の中の、「今年の残りの日々を、皆さんにも会わず、抱きしめることもできず、元気づけることもできないまま、そして皆さんに元気づけてもらう機会のないままに過ごしたくはありません」という一文が、彼女の根底にある動機だろう。

支援公演開催に向けて、もちろん不安の声も上がっている。これは、「ONE LOVE MANCHESTER」に参加を予定しているジャスティン・ビーバーの、6月末〜7月頭のUK公演についても同様だ。

しかし彼女は、何よりも表現者としてシンガーとして、行動を起こすことが先決だと判断した。

彼女の中では、ツアー再開(6/7のパリ公演から予定)よりも先に、支援公演を行うべきだったのである。「ステージに立って、歌いたい」という率直な思いに裏付けられた決断と、チームの結束力や迅速な行動力には頭が下がるというより他にない。

またファンの間では、《Where the hell are you, oh, when I need you? /I could still here your voice /I ain’t got no choice, cause I’m here all alone /I know I can’t wait ‘til you get home》という歌詞を持つ『デンジャラス・ウーマン』収録曲“シンキング・アバウト・ユー”の購入運動なども広がっていた。

MIKA - Popular Song ft. Ariana Grande

Ariana Grande - Problem ft. Iggy Azalea

Jessie J, Ariana Grande, Nicki Minaj - Bang Bang ft. Ariana Grande, Nicki Minaj


裕福な家庭に生まれ育ち、コメディドラマ『ビクトリアス』のキャット役で広く知られるようになったアリアナ。

僕が彼女の歌声を初めて意識したのはミーカのシングル“ポピュラー・ソング”への客演だったが、自身のセカンドアルバム『マイ・エヴリシング』に先駆けての“プロブレム feat. イギー・アゼリア”や“バン・バン(ジェシー・J+アリアナ・グランデ+ニッキー・ミナージュ)”といったコラボヒットでは、新世代ガールズ・パワーの象徴的な存在となり一層大きな支持を得る。

触れ続けるほどに心地よいその美声は、デビュー以来のアルバム2作をビルボードチャート1位に押し上げる要因にもなっていたはずだ。

Ariana Grande - Dangerous Woman

2015年夏に報道されたドーナツショップでのスキャンダルは、後日文章と動画で謝罪するほどの出来事になったけれども、最新アルバム『デンジャラス・ウーマン』へと至るしなやかな決意を帯びた再起は、まさにアリアナの歌にかける純粋な思いそのものだったろう。

2017年2月にスタートした「デンジャラス・ウーマン・ツアー」も然りで、深い傷を負いながらも支援公演「ONE LOVE MANCHESTER」とツアー再開をいち早く決断することができたのは、今のアリアナのモードがファンの求める声に極めて敏感であり、また逆境に対しタフな姿勢にあったからなのではないかと思う。

やはり、難しい決断だったのは間違いないだろう。しかし、表現とはポジティブな意味においても積極的な決断と行動がなければ成立しないものだ。

多くの大物アーティストたちも参加し支援する6月4日「ONE LOVE MANCHESTER」の成功を、心から願う。

この6月には24歳の誕生日を迎えるアリアナ・グランデ。そして8月12日と13日には、彼女の来日公演(@幕張メッセ)が予定どおり開催されることも、すでにアナウンスされている。(小池宏和)
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