The 1975、新作の長いタイトルに込めた意図や作品テーマ、アートワークの狙いを語る

The 1975、新作の長いタイトルに込めた意図や作品テーマ、アートワークの狙いを語る - The 1975『君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。』2月26日(金)発売The 1975『君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。』2月26日(金)発売

2月26日(金)に新作『君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。』(原題:『I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful Yet So Unaware of It』)をリリースするThe 1975だが、今作のテーマについて語っている。

ローリング・ストーン誌の取材を受けたマット・ヒーリーとジョージ・ダニエルは新作のタイトルについてどういう意図があるのかと問われ、マットは次のように説明している。

「決断をして確信を持つっていうことで、それは前のアルバムではツアーを終えた時点で本当に消耗し尽くしてたからなんだ。それまで無名なバンドだったのが、なにかともてはやされて、よく知られる存在になってたわけだからね。いろいろ心配になってくることもあったし、こうした状況で唯一処方箋となってくれるのは、自分たちがこういうことをいった方がいいんじゃないかと思う内容ではなくて、ただ単に真実について綴ったレコードを作ることだとそう決めたんだよ。そういう理由から、わりと早いうちから今度のアルバムのタイトルはこれだと決めてて、それは単純に自分がすごく気に入ったからということなんだ」

また、ジョージは「つまり、ファーストのタイトルがバンド名だったことへのアンチテーゼだってことだよ」と付け加えている。

楽曲はツアー中に書いていたとジョージは説明していて、基本的に曲はいつも自身のパソコンで書いているのでツアー中でもわりと楽にできると述べているが、ただ、マットは楽曲によってはファーストの楽曲より古いものもあるので、具体的な制作期間はいつかと訊かれてもなかなか説明しづらいとも語っている。

また、“A Change Of Heart”という曲では「都会では愛をみつけることはなかった」という歌詞があって、これはファーストの“The City”から続いているか、あるいは関連している内容なのかという問いにマットは次のように説明している。

「ファーストのナイーヴさに対して、今度のアルバムには知識が備わってきてるんだ。そういう内容を歌詞にしてみたところが多かったと思う。『都会では愛をみつけることはなかった』とか、『かつてのきみは雑誌の中から飛び出てきたような顔をしてたよね』とかね。あの能天気なナイーヴさに対して、このアルバムでは諦めがそれに取って代わってるんだよ。でも、すべてあるひとりの人物についてのものなんだ。今や世界になってしまった、今やコミュニティーになってしまった、The 1975はなんかやたらと大きなものになってしまったっていう。少なくともぼくたちにはそうなんだ。ぼくたちはそのど真ん中にいるからね」

さらにファーストと同様に冒頭を飾る“The 1975”も暗さを増した音になっているという指摘にマットは「確かにもっと暗いレコードになってるからね」と答えていて、さらに「自己分析と不安が同席しているようなもの」だとも説明している。

「ジョージもぼくも、自分たちに何かやれるのかどうかわからないという時期を本当に潜ってきたから。かといって、自己憐憫に浸っている暇もないから、結構しんどいんだよ。いろんなアイディアを目の前にして大変なんだ。みんなに気に入ってもらえるかな? 自分たちのやってることは間違ってないかな? ってね。だからもうそういうことは全部忘れて、とにかくもう個人的に正しいと思えることをただいっちゃおうってことにしたんだ」

また、ジャケットの写真の構図がファーストと同じなのに、モノクロの暗い写真から明るいピンクのネオンの写真へと変わっていることについてはジョージが次のように説明している。

「実はずっと考えてたひとつの進化の形なんだ。いずれカラーへと進歩していくものだというのはみんなでわかってたんだよ。それまでやってきたことをすべてパロディにして、そこから総天然色へとなだれ込んでいくのが美学的にいいやり方かなって思えてね」

マットは新作が抱えている両義性も象徴しているとも説明していて「黒い美意識に裏打ちされた、とても彩り豊かな音楽ということなんだ」と語っている。
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