アーティスト

    ピンク・フロイドのニック・メイソン、新作は今後出せなくても音源は「まだまだある」

    ピンク・フロイドのニック・メイソン、新作は今後出せなくても音源は「まだまだある」 - pic by Harry Bordenpic by Harry Borden

    11月19日に新作『永遠(TOWA)』をリリースするピンク・フロイドだが、これまで新作はこれで最後になると明らかにしつつも、音源そのものはまだ数多く残されていることをほのめかしている。

    特に2011年から12年にかけて行われた『狂気』『炎』『ザ・ウォール』の再発や、今年の『対(TSUI)』の再発の過程でさまざまな音源が発掘されていることをニック・メイソンは明らかにしていて、次のようにビルボード誌に語っている。

    「この先なにをやれるかという話はいつも持ち上がってるんだよ。ただ、まあ、ぼくたち自身よりもレコード会社がやりたがるような話であることが多いんだけど。でも、ぼくたちはいつでもレコード会社のアイディアについてもオープンな気持ちで接してるんだよ」

    さらにニックは今のところ再発として手を入れる余地が残されている『アニマルズ』について次のように語っている。

    「ロジャー(・ウォーターズ)もデイヴィッド(・ギルモア)も二人とも折に触れて『アニマルズ』のリミックスを試みたいと言ってるし、技術的に言えば、この作品はぼくたちの作品の中では録音状態がそんなによくないものなんだよ。やるとしたらまずはテープの掃除をして、聴き直してさらによくする余地があるかどうか見極めるってところだね。もし、それをやるとしたら、ほかにも手を施すべきことがあるかどうか吟味すると思うけど。ただ、今のところ、誰もこの作業をスケジュールに組んでいる人はいないんだ」

    また、ニック自身はここのところバンドの映像の整理に時間を費やしてきていることを明らかにしている。

    「ここ数年、相当な時間をかけてビデオと映像フィルムのアーカイヴ化を進めてきているんだよ。いつかリリースできるようになったらおもしろいはずだと思うんだけどね。特にここ数年はバンドとかバンド・ヒストリーについての映画とかビデオが相当量リリースされてきているし。ただ、ぼくたちの場合に問題となるのは、誰も映像なんて記録していない時代にまで歴史が遡っちゃうことで、あってもスーパー8とかの8ミリ映画とか、ごく初期のテレビ出演くらいのもので、そういうのはそれはそれで楽しいよね。それと一番ネックになってるのは、ぼくたちが70年代にツアーしていた時分にはライヴの映像も音もレコーディングすることがなかったことで、あの頃のオリジナルの『狂気』のライヴとかを今観られれば本当によかったんだけどね。というわけで、ちょっと変わった映像ばかりが揃った感じのものになるけど、観てて楽しめるものにするだけの映像はあるし、時間さえ捻出すればいずれできると思うよ」

    11月11日には"ラウダー・ザン・ワーズ~終曲"のビデオが公開されているが、『永遠(TOWA)』の音源の元となった1993年から94年にかけてのレコーディングではその作業の風景も収録していたのでそうした映像も今回のビデオに使っているとニックは説明していて、今後も似たような趣旨のクリップを公開していくという。

    "ラウダー・ザン・ワーズ~終曲"のビデオはこちらから。

    公式SNSアカウントをフォローする
    フォローする
    音楽WEBメディア rockin’on.com
    邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
    洋楽誌 rockin’on